次ページ以降のランキングは、設備投資額が減価償却費を上回る企業を対象にしたものである。来期以降、減価償却費の増加により一時的に利益が圧迫される可能性もあるが、こうした投資は成長へ向けた布石と見ることができる。
業績の変遷をチェックする際には、利益下押しの中身を吟味することが必要だ。利益が伸びなやんだとしても、それが減価償却費の増加による想定通りのものであれば、マイナス材料とはいえない。
非製造業も投資を拡大
トヨタ自動車は今2016年3月期に1兆2000億円の投資を計画。2013年には新工場建設を2015年までの3年間凍結するとしていたが、これを解除してメキシコ新工場や中国の新ライン建設を発表した。
ソニーも増資などで資金を調達、スマートフォン向けに需給が逼迫するイメージセンサーへの投資を拡大する。
非製造業にも設備投資を積極化する動きが広がってきた。牽引役は訪日外国人客増を見据えたインフラ投資だ。
東日本旅客鉄道(JR東日本)の今2016年3月期の投資予定額は5550億円。千葉、新宿、仙台の駅ビル開発・建て替えを中心に生活サービス事業の投資へ傾注する方針だ。
三菱地所の投資額も前期から一気に約80%増える見込み。東京・丸の内や大手町などで再開発を進める。
先行きの警戒材料は中国景気の動向だ。足元は減速懸念が強まっており、日本企業の同国での投資意欲を鈍らせる可能性もある。
週刊東洋経済8月22日号「投資の視点」を転載
無料会員登録はこちら
ログインはこちら