トヨタ産業技術記念館、「来場者急増」のワケ

入場料500円でここまで楽しめる!

トヨダスタンダードセダンAA型に付いていたのは、「豊田」のエンブレムだ(撮影・川柳雅裕)

名古屋市にある「トヨタ産業技術記念館」の人気が急上昇中だ。トヨタグループの原点である機織り機の実演から歴代のトヨタ車までを並べる展示、サービスの質の高さが海外にも広まり、口コミの観光旅行サイトでは「グレイトミュージアム!」「アメイジング!!」と絶賛の言葉が並ぶ。外国人客の急増に、館側はこれまで週1回だった英語のガイドツアーを、8月から毎日実施し始めた。この施設の何が世界中の人を惹きつけるのだろうか。

トヨタグループの「原点」で17社が運営

愛知県長久手市は、そのものズバリの「トヨタ博物館」がある。こちらはトヨタ自動車の単独運営で、展示の主役はあくまで車だ。一方、産業技術記念館はトヨタグループ17社が共同運営する。グループの創業者、豊田佐吉が1911年に建てた織機工場などを活用。レンガ壁や木造の屋根組みを生かした約2万7000㎡の展示施設の前半を「繊維機械館」として自動織機など約100台を並べ、実演してみせる。

ふわふわの木棉が、1秒間に150回転するシャフトを通して固い糸に紡がれていく精紡機。目にもとまらぬ速さで動くシャトルが、縦糸が切れたとたんに自動停止する「無停止杼(ひ)換式G型自動織機」。それらがやがて空気や水の力を利用して、より速く、効率的な機械に進化していく。

クライマックスで披露されるのは、コンピュータを導入して6色の糸から写真をプリントしたように精細な柄を織れる大型機械の実演。「ここでたいてい『おおっ』と、どよめきが起こります」と同館総務グループの加藤崇根プロジェクトマネジャーは解説する。

トヨタグループが繊維産業から発展したことは日本人でも知る人ぞ知る歴史で、外国人ならなおさらだ。最初は「なぜ機織り?」と疑問を持ちながら展示を見始めた人たちが、その精密な動きや抜け目のない創意工夫にトヨタ車の技術を重ねて見るようになる。

次ページ展示の後半は「自動車館」
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