トランプ、実はハリスのルックスに嫉妬していた 外見に執着する超ナルシシスト男の奇妙な言説
6月下旬、大統領選挙のテレビ討論会で成功を収めたトランプはバージニア州チェサピークで開かれた集会で、バージニア州知事グレン・ヤンキンの息子に、父親よりも「ずっと男前だ」と呼びかけ、ある元議員には「見た目がよい」と話しかけ、共和党の下院議員候補デリック・アンダーソンについては「映画スターのようだ」とまくしたてた。
もっと最近では、副大統領候補となったオハイオ州選出の上院議員J・D・ヴァンスの最も優れた特質の1つは、あごひげや燃えるような青い目も含めたルックスだ、と述べている。
男性の容姿をわざわざ褒めるトランプの心理
演説でトランプは、ほかの男性の外見を称賛することもある。大統領時代にメキシコ大統領が派遣した交渉担当者とやりとりしたことを振り返ったときなどが、そうだ。
「彼は私に、とてもハンサムな男を派遣した。とても見た目がよく、とてもハンサムで、着こなしもとてもすばらしかった」と、トランプは2月にメリーランド州で行われた演説でメキシコの交渉担当者について述べ、彼が着ていたスーツの値段を尋ねてみたかったと付け加えた。「ハンサムな男だった」。
タウソン大学の上級講師で、男らしさを幅広く扱った著作があるアンドリュー・ライナーは、「クレイジーに聞こえるかもしれないが、これはトランプにとっては実は進歩だ」と話す。
「かつてのトランプは、いつも相手の弱みにストレートに飛びかかっていた。しかし今は、褒め言葉で主導権を握り、後からパンチを繰り出すようになっている」
女性に対する男性の恐怖心を扱った著作がある心理学者のアヴラム・ワイスは、トランプがお世辞を言ったり、口撃を仕掛けたりする根底にあるのは、単純に自分自身に対する不安かもしれない、と分析する。