「東京一極集中」に貢献している道府県ランキング 20代の若者が地元を離れて東京へ移動する事情
もしエビデンスに忠実に考えるならば、「わが管轄エリア下にある若者がそちらに行くことによって発生する東京一極集中は大問題だ」と最前線で主張せねばならないのは大阪府や愛知県や福岡県などということになる。しかし、そうではなかった。当然ながら、返す刀で「では同じ大都市圏として、周辺エリアからの人口流入に頼って労働力となる若手人口をなんとか維持している現状を改革せよ」という話になるからだ。
地方大都市圏における雇用改革の遅れ
実は東京都だけは1都3県の3県である東京周辺の通勤(並びにリモートワーク)エリアの人口増加をも伴っての複数自治体の社会増となっており、広域エリアの人口ダム機能を伴った社会増を続けている。対して、大阪府、愛知県、福岡県などは周辺エリアを転出超過にする状態で、それらのエリアからの労働力人口供給によって労働力維持を図っている(愛知県は2019年より自らも転出超過へ)。
東京一極集中は、人口動態的に見るならば、地方大都市圏における雇用改革の遅れ(今の若者に選ばれる企業づくり=雇用者の意識改革・世代間価値観ギャップへの危機感醸成・自治体による雇用改革支援の欠如または不足)によるものである。言い換えれば、地方大都市圏は、これらの点で周辺の地方自治体より上回ってはいるが東京より遅れている、ということになる。
「勝てるわけがないから自らの意思で集まる若者の定着を東京都が諦めろ」というのはあまりにも非科学的・情緒的な議論であり、若者たちの動きは「若い世代のお気持ち表明」であるという事実にそろそろ気が付きたいものである。
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