「東京一極集中」に貢献している道府県ランキング 20代の若者が地元を離れて東京へ移動する事情
さらに、上位8エリアである大阪府、愛知県、兵庫県、福岡県、静岡県、北海道、宮城県、広島県だけで半数超となる。
いずれも名だたる地方中核となる大都市を抱える道府県である。これらの8道府県の地方大都市機能が正常化されることで、東京一極集中の規模が半分未満となる計算だ。
ただし、「地方大都市機能が正常化」といっても、平たく言うならば「雇用の正常化」である。東京都に住民票を移動する「覚悟を持って移動」する社会増人口は、その86%が20代人口で、さらにそのうち7割以上が22歳を圧倒的多数とする20代前半人口だからである。
専門卒、大卒若者の就職先として圧倒的に支持されている東京都の雇用力に対して、大阪府や愛知県を筆頭とする「地方の冠たる企業・経済界をもつエリア」が若者に選ばれない状態となっている理由に、国でも東京都でもなく、彼らこそが真正面から逃げずに向き合わねばならない。
沈黙する地方大都市圏
今回の全国知事会が終了したあとにマスコミで取り上げられた知事のコメントは、上記ランキング21位以下の東京一極集中にあまり貢献していない県の首長のコメントであった。
中には(報道の切り抜き効果もあるのかもしれないが)かなり激しい喧嘩腰のものまで見られ、両親が地方出身者である筆者にとっては愛する「わが田舎」との喧嘩ともいえる報道となり、実に残念だった。東京都に流れ込む多くの若者たちにとっても同様だったのではないだろうか。
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