過去の経験を今までよりも20%超生かす方法 簡単な方法で有益な教訓を得ることができる
立ち止まり、振り返って、戦略を立てる習慣を身につけると、それが積み重なっていつしか大きな利点になる。省察的実践により、すばやく学習ができ、より自信が持てて、深い知識が得られることは、すでに見てきたとおりだ。
だがこれはまだまだ入口で、日々の出来事を日記につけていくと、自分の感情をうまく整理して不安を鎮め、ストレスを軽減するのに役立つことも示されている。日々の出来事を自分なりの視点で綴れば、その出来事が自分の身に起こっているような気がしなくなる。書くことで物事の局面が変わり、コントロールできる感覚が取り戻せるのだ。
「5年日記」を有効活用する
特に日記は、手で書くと自分を落ち着かせる効果がある。
たいていの大人は考えが先にあってから書くので、手の動きが思考に追いつくのを待つが、そのあいだは立ち止まって振り返るしかない。したがって、忙しいときにはなかなかできないような形で、自分の思考を見直すことができる。
この単純な習慣で、驚くほど明敏な洞察が得られることもある。
セラピストがあなたの言葉を繰り返すのを聞くのとは違い、自分の奥深くに眠る真意や窮屈な考え方に気づくことがある。
心理学者は、ほかにも日記のさまざまな効用を発見しているが、そのすべてを紹介するよりも、ここでは内省や学習、スキル開発を促すのに特に有効であると私が考える種類の日記を紹介したい。それは5年日記である。
5年日記は多種多様なバージョンが書店で販売されているが、そのいずれにも共通していることが1つある。それは、同じ日付のページが5つに区切られていて、その一つひとつが各年の欄となるということだ。
日記は毎日、限られたスペース内に数行で手書きしていく。すると、日記をつけ始めて1年が経過するとあら不思議、日記をつけはじめたページに戻るのだ。日記をつけ始めてから1年たった今日のことを綴ったあと、昨年の同じ日にどんなことを書いていたかを読み返す機会が得られる。
私はコーチングのクライアントに必ず5年日記を渡している。なぜなら、それが発見と成長に役立つ貴重なツールであることがわかったからだ。1日の終わりに日記をつけることで内省が促されるだけではない。5年日記は、過去の日記を読み返すことで記憶が甦り、仕事でも私生活でも、自分のパターンを把握するのに役立つ。
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