過去の経験を今までよりも20%超生かす方法 簡単な方法で有益な教訓を得ることができる

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これは、ハーバード大学の研究者チームが、何百人という成人に提示したエクササイズだ。そして、いくつものマトリックスを参加者に解いてもらったあと、研究者チームはもう1つ新たな指示を出した。

片方のグループには3分間を与えて、それぞれの出来栄えを振り返ってもらった。特に効果的だと思える戦略はあっただろうか? これまでの経験を踏まえて、このようなマトリックスのエクササイズで今後もっといい成績を出すにはどうすればよいだろうか?

これは内省条件である。少し前に遡って、頭の中でテープを再生するかのように自分の経験をじっくりと見直してもらう。

もう1つのグループには3分間待つように指示を出した。こちらは対照条件だ。自分の過去を振り返ることが単に休憩を取る場合と比較してどれくらい効果的か、評価するために利用できる。

この短いインターバルを挟んで、参加者たちにはさらにマトリックスの問題を解いてもらった。それで、内省は成績にどのような影響を及ぼしただろうか?

研究者チームがスコアを集計してみると、見事な結果が得られた。

内省組は、対照条件組よりも20パーセント以上多く正解していたのだ。能力を大きく飛躍させるためには、短い時間でも過去に何を学んだかを振り返り、その教訓を未来にどのように生かすか考えることがどうしても必要だったのだ。

経験を振り返って近道を見つける

その後の研究でも同様の結果が得られ、お金がかかっていなくても、内省が能力向上に役立つことが示された。研究者チームは、実社会でも内省のテストを行い、新人スタッフに研修で学んだことを振り返ってもらうと、研修での学習内容の理解度がなんと23パーセントも向上することを発見した。

内省、あるいは教育分野でいう「省察的実践」の利点はいくつかある。

まず省察的実践は、1日の仕事の中で滅多にしないこと、つまり立ち止まって自分の進歩を考えることを促す。そうすることで、私たちは一瞬目が覚め、無頓着な反応や日常的な習慣の霧から解き放たれ、自分の行動の価値を見直すことになる。

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