顧客満足度1位のホテルが実施している研修の中身 緻密なマニュアルはなく、スタッフの8割がアルバイト

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荷物の大きさを見て、一泊の予定なのか、連泊の予定なのかをある程度予測します。その日、たまたま連泊の予定のお客様が少なければ、どのお客様なのかを推測することも可能です(優秀者は事前に、かなり細かく予約情報を確認している)。

それによって、出迎えの一言にも、連泊のお客様によく使うフレーズを使うようにするとか、館内案内のときにはコインランドリーの説明をしっかりしようといった、そのお客様への接客ポイントを自分なりに組み立てていました。

ワークショップでおもてなしスキルを向上させる

優秀者は、お客様がおかれている状況を把握しようと努め、お客様の様子を細かく観察して、一つひとつの情報からお客様の理解へとつなげていき、状況に応じた臨機応変な対応で接客を遂行しようとしていることがわかりました。

とても大切なことだとはわかっても、それをすべてのスタッフに一朝一夕に課することができるかといえば、非常に難しいことのように思われました。

しかし、じっくりと時間をかけて、ものの見方、捉え方、そして考え方を身につけてもらうことは可能だと考え、ワークショップという形でお客様観察について身につけてもらうようにしました。

お客様役が入店されてから、フロントでチェックイン手続きをすませるまでの動きを、寸劇のような動画にして、数名のワークショップ参加者がそれを見て、どこに注目し、何を考えたのかをディスカッションするワークショップです。

目的は、「こんなお客様のときには、こうしてほしい」というような、接客サービスを型にはめるような研修ではなく、あくまでも広い視点でお客様の様子を観察することの重要性を理解してもらう研修であり、そのためのワークショップという位置づけでした。

実際、同じ動画を一緒に見ているにもかかわらず、人によって注目したポイントも違えば、同じポイントに注目しながらも、違う感想を持つなど、まさにスタッフによって千差万別でした。

『スーパーホテル「マニュアル」を超えた感動のおもてなし』P.100より
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