セブンがガチ買収提案される「日本のヤバい現実」 次に狙われる「お買い得」な大企業はどこか?
ヤム・ブランズの過去の成功体験は、KFC、ピザハットのような伝統的なアメリカ人向けの業態に加えて、移民の増加を背景にメキシコ料理であるタコベルで成長したというのが成功の方程式だったはずです。
その成功体験を考えた場合に、ヤム・ブランズにとってのフロンティアは2つ考えられます。1つは欧米で成長が著しい寿司ビジネス。そしてもう1つは中国・アジア市場での成長です。
このように彼らの戦略を考えるとヤム・ブランズにとってゼンショーは非常に手に入れやすい安価な日本企業だと目に映るのではないでしょうか。そしてゼンショーに限らず、アジアで成長している外食と、すし大手は、どちらも買収リスクを念頭におく必要が出てきそうです。
③日清食品HDをクラフト・ハインツが狙う
「うちはまず大丈夫だろう」
経営陣がそう考えていそうな安定した大企業の名前を1つ挙げておきましょう。カップヌードルで世界展開する日清食品HDです。経営も好調ですし、死角はないと経営陣は考えているのではないでしょうか。
しかし死角はあります。時価総額が1.2兆円と安いこと。円安の昨今、企業の価格としては激安企業のひとつなのです。
グローバルの食品大手であるクラフト・ハインツという会社があります。チーズのクラフトとケチャップのハインツが合併した会社で時価総額は6兆円と日清食品を大きく上回ります。
チーズにしてもケチャップにしても成熟市場です。ですからこの企業、株価を成長させるためには商品ラインナップを広げる以外に方法はありません。実際、主力商品としては乳製品、チーズ、調味料に加えて、スナック菓子、インスタント食品、飲料などほぼほぼスーパーマーケットで手に入る加工食品全体へと手を広げています。
そもそもグローバルな食品ブランドは、主力商品の成長では大きな成長は望めません。そのために巨大ブランドを買収することが成長の有力な戦略として定着しています。1980年代にたばこ大手のRJRがナビスコを買収したのがその象徴的な出来事でした。ナビスコは今では食品業界3位のモンデリーズの傘下に入っています。
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