セブン&アイ買収問題、井阪社長退任後の焦点 人事だけで株価は上がらず、戦略が肝要だが・・・

セブン&アイ・ホールディングスが井阪隆一社長の退任を検討していることがわかった。後任は筆頭独立社外取締役であるスティーブン・ヘイズ・デイカス氏で最終調整中だ。近く、取締役会で決議されるもようだ。
セブン&アイはカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタールから7兆円規模の買収提案を受けている。
伊藤順朗副社長ら創業家側による実質的な買収防衛策である、9兆円規模のMBO(経営陣による買収)が2月27日に白紙となり、経営陣はクシュタール傘下に入るか、単独路線を維持するかの二択を迫られている。デイカス氏ら社外取締役で構成される特別委員会が対応を協議している。
現体制で株主総会を乗り切れるか

井阪社長ら執行部も、デイカス氏を中心とする特別委員会もクシュタール傘下入りは望んでいない。アメリカではセブン‐イレブンとクシュタールがそれぞれシェア首位、2位であり、買収には現地の独占禁止法上の懸念が払拭されていないからだ。
クシュタールは1株約2700円での買収を提案している。足元の株価を大幅に上回っており、提案を拒否する場合、株主の反発は避けられない。アクティビスト(物言う株主)が経営陣に接触しているとの情報もあり、現体制では5月の定時株主総会を乗り切るのは難しいとみられていた。
今回、東洋経済の取材で井阪社長の退任後に進める新戦略の概要が明らかになった。その内容については、3月5日配信の「セブン&アイ、井阪社長交代で浮上する『次の戦略』」で詳しく解説している。
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