セブンがガチ買収提案される「日本のヤバい現実」 次に狙われる「お買い得」な大企業はどこか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ただしそれが盤石かというと必ずしもそうだとは言えません。現在施行されている取締役会制度は、投資家保護が最大の目的です。買収提案があった場合、経営者は自分の地位が危うくなりますし、創業家は反対するでしょう。しかし株主にとって買収提案が望ましい場合は取締役会は株主の側につく義務がでてきます。

たとえば、仮にアリマンタシォン・クシュタールのような競合企業が「セブンを8兆円で買収したい」と言い出したらどうでしょうか? そもそも今回の買収の情報が入る前のセブンの時価総額は4兆6000億円でした。株主から見れば提案に乗れば一気に株価は1.7倍と大儲けです。

しかし役員会がこの買収提案を拒否すれば、時価総額は元の4兆円台に戻ります。株主は大損することになるでしょう。この場合、本来の取締役会は株主の側に立つ判断をしなければいけないのです。

セブンに買収提案をした背景

今回、アリマンタシォン・クシュタールがセブンに買収提案をした背景はおそらく2つあります。1つはそもそも同社がグローバルで買収を通じて拡大する戦略をとっていること、そしてもう1つは近年物言う株主とのバトルに経営陣の意識が向かっているせいで、セブン-イレブンが本来達成できるはずのグローバル市場での成長余地がまだ低いことでしょう。

物言う株主から見れば西武百貨店問題やイトーヨーカドー問題に経営陣が時間をとられすぎていてアジアでの成長スピードが遅い。本来は日本の時価総額ランキングのトップ10に入って10兆円企業になれているはずのセブン&アイが、いまだに株価が低くとどまっています。ですから「買収後の成長余地が大きい」とみれば外資は買収に動くものです。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事