セブンがガチ買収提案される「日本のヤバい現実」 次に狙われる「お買い得」な大企業はどこか?

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さて、このメカニズムを前提に考えると、実はセブン&アイよりももっと危険な日本企業は山ほどあります。これまで日本の大企業が外資に買われるケースは、経営が立ち行かなくなって、日本企業がどこも手を挙げないようなケースばかりでしたが、これからは違います。業績がいい企業でも折からの円安と、世界的に見れば安い株価が呼び水になって、あっと驚くような優良企業が買収リスクにさらされる時代が来たのです。

条件としては、

1 本来はグローバルでもっと成長できる余地があるけれどもそれができていない
2 時価総額が5兆円以下と円安環境下では外資にとって比較的買収しやすい
3 社外取締役会がプロ経営者中心
4 安全保障と関係がなく、政府が買収阻止に動く可能性が低い

という4条件を満たす企業の買収リスクが大きいことになります。

これからはそんな企業に次々と買収提案がつきつけられるかもしれません。おそらくそれまでこんなリスクを想定したことなどないはずの大企業を3社ほど例に挙げて、これからどんなことが起きるのかを考えてみたいと思います。

①資生堂をロレアルないしはP&Gが狙う

資生堂は時価総額1.4兆円(2024年8月19日時点、以下同じ)です。日本を代表する化粧品ブランドであると同時に、中国・アジア市場で非常に強いブランド力を持っています。

資生堂はコロナ禍前の2019年までは経営が好調だったのですが、それ以降、大きく業績を下げ、株価が低迷しています。そのため経営陣は中国市場の中低価格帯の化粧品ブランドを売却したり、日用品部門を別会社化したうえでやはり売却したりと、戦略は縮小均衡傾向にあります。かつて人気だったシャンプーの「TSUBAKI」もすでに資生堂の手を離れています。

結果としてハイエンドの化粧品ブランドが資生堂を支えている構造ですが、この構造はロレアルやP&Gといった海外の化粧品大手にとっては魅力的な構造ではないでしょうか。

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