バンコクの爆発で死者22人、邦人男性1人重体 軍幹部「反体制派の手法と一致せず」
[バンコク 18日 ロイター] - タイの首都バンコクで17日夜、観光客で賑わう繁華街で爆発物が爆発し、これまでに外国人8人を含む少なくとも22人の死亡が確認され、負傷者も多数に上っている。
国内メディア報道によると、日本人の現地駐在員、安藤紘太さん(31)がこの爆発で負傷した模様。腹部を損傷して集中治療室(ICU)で治療を受けており、重体だという。
タイのウドムデート・シタブット陸軍司令官は18日、この爆発について、同国南部を拠点とする反体制派が用いる手法とは「一致しない」との見解を示した。
現時点で犯行声明は出されておらず、当局もまだ犯人を特定していない。ただ政府は、同国の経済と観光産業を狙った攻撃との見方を示している。
爆発が起きたのはヒンズー教の神を祭った「エラワン廟」と呼ばれるほこらがある交差点。近隣には高級ホテルやショッピングセンターなどがあり、特に東アジアからの観光客に人気がある。
タイ国家警察の発表によると、爆発の死者は22人、負傷者は123人。「エラワン廟」の内部にパイプ爆弾が仕掛けられていたとしている。
新華社は、死者のうち3人が中国人と報道。当局者によると、2人は香港、2人はマレーシア、1人はフィリピンからの訪問者だという。負傷者の大半は中国、および台湾からの訪問者だった。
警察は18日早朝から現場で証拠品の回収にあたっている。
陸軍司令官は18日、テレビの取材に対し「今回の爆発はタイ南部で以前起きた爆発とは一致しない。使われた爆弾の種類も異なる」と述べた。
タイ南部の3県は長年、分離独立を目指すイスラム系組織の活動拠点となってきた。2004年以降、民間人を中心に6500人以上が殺害されている。ただ、この組織による襲撃が南部3県以外で起こることはほとんどない。
プラウィット・ウォンスワン国防相はロイターに対し、「爆発は観光客で賑わう場所で起きたため、タイの観光業、および経済を狙ったものと考えられる」と述べた。地元テレビによると、タイ政府は対策本部を立ち上げる。
バンコク市内では主要な交差点のほか、観光客で賑わう場所を中心に警戒態勢が敷かれている。
爆発が起きた交差点は、多くの死者を出した2010年の反政府デモが行われた場所に近い。
爆発を受け、米国務省は、爆発がテロ攻撃かどうかを判断するのは時期尚早だと表明。ジョン・カービー報道官は、タイ当局が捜査にあたっており、現時点で米国への協力要請はない、と述べた。
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