超人気トランプ候補は、何を意味するのか 信条は「俺は賢い」「俺は金持ち」

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もちろん理由がある。ビジネスというものは民主主義ではない。もしビジネスを民主主義的に行おうとすれば、そのビジネスはまるで政治のように見えるだろう。

多くの有権者は、公開討論においてメディアと共和党の権力者層とトランプが対峙するのを目にした。そして、トランプが彼らの得意分野において彼らを打ち負かすのを見て楽しんでいるようだ。先週(8月9日の週)のディベート後に行われた最新のロイター・イプソス世論調査では、相変わらずトランプが集団の先頭にいることを示している。

トランプは、もし共和党候補に指名されなかった場合には、独立候補として出馬すると脅す事で、共和党をゾッとさせなかっただろうか。トランプはそのことについて本当のビジネスマンのように説明した。「私の人生は全てがレヴァレッジ(テコ)だ。いいかい? 私はレヴァレッジを信じているんだよ」。

トランプの信条は「俺は賢い」「俺は金持ち」

トランプは、極めて重大な点でペローとは異なっている。ペローは、独特なイデオロギーに関する訴えかけを持たなかった。しかし、トランプにはそれがある。彼は、共和党の保守派であるティーパーティー(茶会派)に強く訴えかけるのだ。

これが、トランプが体現しているもうひとつの伝統、特質である。つまり、彼は過激派であり、イデオロギー的候補なのだ。こうした泡沫候補は無数にいる。たとえば、共和党の極右 (パット・ブチャナン、パット・ロバートソン、ミシェル・バッハマン) と、民主党の極左 (ジェシー・シャクソン、ハワード・ディーン、そして現在はバーニー・サンダース) だ。

トランプをイデオロギー信奉者として説明すると、信じがたく聞こえるかもしれない。しかし、彼には信奉するものがある。彼が深く信じる理念は彼自身なのだ。彼の中心にある信条とは「私は賢い人間である」と「私は本当に超金持ちである」だ。

コンサルタント達は、政治的アドバイスを提供するために彼にメモを書こうとする。しかし、トランプにとってはメモなど不要であり意味のないものだ。「私は私自身である必要があるのだ」と彼は言う。「私が世論調査で先頭にいるのは、そのためだ。それはメモのせいではない」。

トランプは雇用プログラムについて次のように説明したのである。「私は神が今まで造った中で、最高の雇用の大統領になるのだ」。もしナルシズムがイデオロギーなのであれば、トランプはカール・マルクスだろう。

トランプは、とくに保守派からの人気が高いようだ。それはなぜなのだろうか。

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