丸亀製麺がハワイで圧倒的に稼ぎまくる理由 日本のどの店よりも売り上げが大きい
もちろん、うどんの人気も高い。ただ、味覚は日本人とは異なるようで、オリジナルメニューも充実している。ワイキキ店の人気ベスト3を紹介しよう。
第3位は、ワイキキ店オリジナル「ガーリックチキン サラダうどん」。たっぷりのサラダと、にんにくを効かせた唐揚げがクセになる逸品だ。第2位は「カレーうどん」。スパイスを、日本より多めに入れているのがポイント。そして人気1位は「肉うどん」。出汁を効かせたスープが、国境を越えて、受け入れられている。対照的に味付けの濃いメニューが人気のようだ。
サイドメニューでは、マッシュルームの天ぷらやアスパラガスの天ぷら、スパムおむすびというワイキキオリジナル商品も、よく売れる。
厨房を見せてもらうと、その工程は日本とまったく同じ。日本人顔負けの、手際のよさで生地を伸ばしているのはアルバイト歴2年で、ハワイで暮らすTJさん。生地を伸ばしたら一気にカットし、続いて、大きな釜で茹であげていく。この作業風景が、外国人にとっては物珍しく魅力的で、並んでいる間に見られるのも、人気の理由の一つだという。
印象的だったのは、現地の店員さんたちが日本語でおもてなししていたことだ。取材中も「ハ~イ、僕のかき揚げ、オイシイですよ!」なんておちゃめな日本語の大合唱だった。
取材をしていくうちに、丸亀製麺ワイキキ店が現地で大人気を呼ぶ一方、日本のどの店よりも売り上げが大きい最大の理由がわかってきた。それは価格だ。
日本に比べると高いが、1杯4ドルは魅力的
ワイキキでのランチ価格の平均は約15ドル、ディナーは約20ドルといわれるが、たとえば、丸亀製麺ワイキキ店のかけうどん1杯は4ドル(約500円)で昼も夜も変わらない。しかも、海外では常識のチップが、丸亀製麺ワイキキ店では必要ない。観光客からすると圧倒的なコストパフォーマンスなのだ。
一方、日本の丸亀製麺と比べてみよう。日本ではかけうどんが並サイズで290円だから、ワイキキ店は日本のお店と比べると7割ぐらい高い。つまり、客単価がその分上がる。外食店の売り上げは客単価×客数で決まる。客単価はそもそもの水準が日本よりも高いうえに、欧米系を中心とした外国人は日本人よりも相対的に量を食べる。そして行列を成すほどの客数が訪れる。このことからワイキキ店の売り上げは、日本のどのお店よりも大きいというカラクリになるとみていいだろう。
和食は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されるほど、世界的にも注目が集まっている。その和食を手頃な価格で食べられ、その製造工程も見られるとなれば、行列を成すのもわかる。
実は丸亀製麺にとってワイキキ店は海外1号店。直近では日本国内よりも、むしろ海外への出店のほうが多くなっている。それぞれの現地に合わせたメニューづくりは容易ではないだろうが、今後の海外展開を加速していくうえで象徴的な成功事例に学ぶところは多そうだ。
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