大塚HD、大型薬特許切れでどうなる?

後継薬や次世代を担う新薬への取り組み

抗精神病薬「エビリファイ」は米国で年間約5000億円を売り上げる、大塚HDの屋台骨だった

中枢神経領域に強みを持つ、国内製薬3位の大塚ホールディングス(HD)。今年4月、売り上げの約4割(2014年4~12月期)を占める大型の抗精神病薬「エビリファイ」が、米国でとうとう特許切れを迎えた。

大塚HDは8月7日、大黒柱の特許切れを反映した初の決算となる、2015年1~6月期(第2四半期)決算を発表。売上高は7458億円(2014年1~6月比1.6%増)、営業利益は1031億円(同24.5%増)だった。前年同一期間と比べて減収減益を見込んでいた期初計画から一転、増収増益となった。売上高で358億円、営業利益で481億円もの上振れだ。

通期では減収減益避けられず

確かに、米国でのエビリファイの売上高は、後発薬への切り替わりが始まった4月以降に急減し、上期で前年同一期間比635億円(26.6%)減の1756億円に沈んだ。ただ、後発薬の登場が若干遅れたことなどを背景に、減少幅は期初想定よりも116億円小さかった。

また、エビリファイの後継薬「ブレクスピプラゾール(製品名レキサルティ)」に関して、下期に見込んでいた、共同開発先のルンドベック社(デンマーク)からの開発報酬の一部を前倒し計上したことも、上期の収益を押し上げる要因となった。研究開発費も想定より圧縮した。

上期のエビリファイの上振れ分と研究開発費の圧縮を受け、大塚HDは決算発表と同時に2015年12月期の通期計画を上方修正した。売上高、営業利益ともに100億円ずつ上乗せしたが、修正後の計画は、売上高1兆3800億円(2014年1~12月比12.2%減)、営業利益1200億円(同43.9%減)と減収減益。エビリファイを支えに好調だった業績は、同製品の特許切れで後退局面を迎えた。

エビリファイの米国売上高は年間約5000億円にまで膨らんでいたが、直近では後発薬にすでに7割のシェアを奪われている。米国では特許切れ後に8~9割が後発薬に置き換わるため、今後のさらなる減少は避けられない。

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