日本の「C型肝炎」は、3年ほどで撲滅できる 特効薬第2弾が承認、ギリアド社長に聞く
肝臓がんの原因となるC型肝炎に、96~100%という高い治癒率を誇る特効薬が登場した。
2015年5月に日本で発売されたのは、「ソホスブビル(製品名ソバルディ)」。遺伝子型が2型(2a型、2b型)のC型肝炎ウイルス感染者(100万人以上いる国内患者の3割)が対象だ。
さらに7月3日には1型(1b型)ウイルスの感染者(同7割)が対象の、「レジパスビル・ソホスブビル配合剤(製品名ハーボニー)」も製造販売承認を取得。今秋までには発売される見通しだ。
いずれの薬も、従来の治療法に比べ、治療期間を大幅に短縮できる。
開発したのは、米ギリアド・サイエンシズ。欧米などで2013年末から発売したこの二つの薬で、2014年は1兆円以上を稼ぎ、製薬企業の世界売上高ランキングでは前年の20位から10位に急浮上した。日本での開発を担当したギリアド日本法人の折原祐治社長に、新薬の可能性について聞いた。
治療期間はこれまでの4分の1に
――発売済みのソバルディはどのような点が画期的なのか。
これまでの薬とは、作用機序(薬効をもたらすメカニズム)、有効性、治療方法の面で異なっている。ソバルディの作用機序は世界唯一のもの。ソバルディは、C型肝炎ウイルスが遺伝情報を持つRNA(リボ核酸)に入り込み、RNAの伸長を止め、ウイルスの増殖を強力に抑える。
臨床試験では、96%の患者でウイルスが除去され、高い有効性を得た。治療方法においても、従来はインターフェロンという物質の注射で半年から1年間通院しなければならなかったものが、飲み薬によって12週間で治療できるのは大きな改善。
この3つのポイントによって、厚生労働省からも画期性加算(薬価算定において画期的な新薬に価格面でプラスの評価をすること)をいただいた。
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