日本で最もコロッケを買う福井市民の胸の内 やむにやまれる事情もある
でも、そもそも福井で、これほどまでに油揚げが愛されているのは…なんで?
実は、この油揚げの歴史にこそ福井のコロッケ好きに通じる揚げ物好きのルーツがあった。信仰の深い福井の人は魚や肉を使わない精進料理を食べるため大豆から作られる油揚げは貴重なタンパク源。つまり、油揚げはごちそうだったのだ。
そのため、油揚げはその場で食べず、持ち帰って家族と食べたことなどがキッカケとなり自宅で油揚げを食べる文化が根付いたという。この油揚げ文化が福井の揚げ物好き、コロッケ好きに繋がったと考えられる。
もっと他の理由はないのだろうか。取材を進めると、興味深いランキングを次々と発見した。福井はソーセージの購入額が全国2位、焼き鳥の購入額は日本一。極めつけは総菜。支出金額は日本一なのだ。確かに地元のスーパーを覗いてみると、あるわあるわ、なんと600種類以上の総菜を見つけた。買い物客の中には、総菜だけで5000円以上を買う人も見かけた。
福井の人は、なぜコロッケをはじめとするお惣菜がこれほど好きなのか。コンビニを覗いた時に思い知らされた。店内はデパ地下並みの品揃え。お惣菜やお弁当はすべて店内で調理。福井には、できたてのお惣菜を多く扱う画期的なコンビニまであった。これだけお総菜の販売が盛んだからこそ、コロッケの支出金額も日本一というわけだ。
福井は共働きが多い
しかし、福井の人が、これほど総菜を買うのは、なんで?
取材班は親子連れのお母さんの取材で、謎を解く手がかりを発見した。実は福井は夫婦共働きが日本一多い街。3世帯で住んでいる割合は全国2位。2世帯以上で共働きとなると、家族全員の料理を作るのは一仕事だ。だからといって、福井の家庭が毎日お惣菜ばかり食べているというわけではない。
三世帯が暮らしながらも、夫婦共働きという中で、おいしい料理を食べるために総菜が活用されていた。コロッケの購入金額1位という事実をとらえるためには、単に揚げ物が大好きというだけではない、やむにやまれぬ事情も理解しておきたい。
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