業界のプロは、花火をこうやって鑑賞する! ちょっとした知識で、何倍も楽しめる

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これらのことが割物競技では審査の対象になります。また三重芯(四重丸)や四重芯(五重丸)などは変化が速いので、目が慣れないとなかなか見る側が追いついていけません。ふだんから花火をしっかりと観察してみると、これらのことが見ていてわかるようになるでしょう。

花火を快適に鑑賞する、簡単な心掛け

昇曲付四重芯変化菊

では、花火の上手な見方はどうでしょうか。

花火はやはりスマートに見たいもの。たとえば浴衣を着た女性とともに見るなら、地べたよりは小さな折り畳みのイスなどがあったほうがよいでしょう。足元を照らすポケットライトや携帯の蚊取り線香、虫除けスプレーなどもあるといいですね。

飲み物は常温でも飲めるお茶か水がいいと思います。夏場ですから、炭酸などは温くなり、とても飲めたものではありません。その点、お茶や水は多少温くてものどの渇きをいやせます。

そして見る位置がいちばんのポイントです。風上から見ないと、自分たちのほうに煙が流れてきて花火は煙の向こう……なんてこともよくあります。スマホなどで、当日の時間帯の風向きをチェックしておくことが重要でしょう。

また場所取りも重要な問題です。最近はどこも有料席などがあるので、これを利用しない手はありません。有料席なら、早くからでかけて場所取りをしなくても済み、涼しくなりかけた夕方にでかけても座席は確保されています。

そして最後のポイントは帰りの混雑。いっせいに帰るのですから、切符売り場にたどり着くだけでも大変です。切符は到着したときに帰りのぶんを先に購入しておくのがいいでしょう。

ハナビストのもう1つのお願い。できれば花火はハシゴしてほしいと思います。なぜなら花火は業者によって色も形も異なりますから、ハシゴすることによって違いがわかると、花火の楽しさが倍増するのです。なるべくパンフレットも手に入れて、情報を仕入れてから見ていただくと3倍は得した気分になれると思います。

さあ、この夏も熱中症に注意して、楽しい花火ライフを過ごしましょう。

冴木 一馬 ハナビスト

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さえき かずま

山形県鶴岡市出身。花火師の資格をもつハナビスト。報道カメラマンを経て世界各地の花火を記録し、歴史や文化の研究を重ねている。スチール写真に関しては記録を重視し、一貫して多重露光を行わず、ワンシャッターとリアリティにこだわり花火を表現。2002年には1000大会の記録を達成(現在は1200大会を超えた)。世界各地の花火をはじめ、あらゆる花火の写真があり解説を行う。おもな著書に『知って楽しい花火のえほん』(あすなろ書房)、『花火ハンドブック』(文一総合出版)、『花火の本―線香花火から、仕掛花火のスターマインまで―』(淡交社)、『日本列島花火紀行』(山と渓谷社)、『四季の花火を見に行こう』(講談社)など。
 

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