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記事と偽る「騙し広告」本当に排除できるのか ヤフーのステマ撲滅宣言に広がる波紋

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  • 徳力 基彦 noteプロデューサー、ブロガー
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一連の議論のなかでも、ニュースサイトにおいて、ヤフーが問題視したステマ記事のようなノンクレジット広告がビジネスになってしまう要因のひとつに、ノンクレジット広告であればヤフーニュースに掲載されることがひとつのポイントであることが浮き上がってきていました。

ヤフーやgoo(NTTレゾナント)、MSN(マイクロソフト)などのようなポータルサイト、スマートニュースやグノシーなどのようなニュースアプリを除き、日本のネットメディアは最大手の朝日新聞デジタルですら、月間5億PV台。編集コンテンツであっても自社のサイトに掲載するだけでは読み手が限定され、拡散にも限界があります。

そこで、ネットメディアは、集客力の強いポータルサイトやニュースアプリなどに記事を配信して、自社サイトへの誘導を図るワケです。ヤフートップページに厳選された、「ヤフートピックス」(通称ヤフトピ)など目立つ位置に掲載されれば、10万PV単位のアクセスがネットメディアにもたらされることもあります。

拡散させるのが難しい記事広告

一方、ネットメディア界において、記事広告は自社サイト以外に拡散するのがなかなか難しいコンテンツと認識されています。特に、ヤフーニュースは記事広告の配信を受け付けていないのが現状です。ノンクレジット広告のようなステマ記事が生まれたのは、記事広告を編集コンテンツと見せかけることで、広告主の記事がヤフーニュースに掲載されるという実績を達成することができるという明確なメリットがあったからです。

そういう意味では、今回のヤフーニュースによるステマ排除宣言は、ネットメディア業界にとって、非常に大きなインパクトがあるといえます。

知らず知らずにノンクレジット広告を読んでいるかも(写真:NOBU / PIXTA)

そもそもノンクレジット広告を配信してビジネスになるのは、その記事がヤフーニュースに掲載されるから、という点が大きかったわけで、記事配信ができなくなったらノンクレジット広告自体がビジネスにならなくなるどころか、自らのニュースサイトの読者増のための重要な転載先を失うことになります。

しかも、訴訟のリスクすら負うわけで、今後引き続きノンクレジット広告を続けようとするメディアは、非常に大きなリスクを負うことになりました。

この宣言を受けて、ほかのポータルサイトやニュースアプリにも影響が及ぶ可能性はあります。飲酒運転の厳罰化のように、ヤフーの宣言は、ノンクレジット広告問題の撲滅に向けて、一罰百戒の布石になる可能性があるわけです。

さらに踏み込んで言えば、この出来事が、ネットメディアのビジネスモデルの転換のきっかけになる可能性も十分あります。

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【ノンクレジットはガイドライン違反】

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