「ネット広告のアドテクは、もう死んでいる」 行き詰まる、ネット広告の自動取引
アドテクの中身は進化していない
――マイクロアドは、「2013年に前年比2.5倍の392億円まで拡大したRTB経由の広告市場が、2017年には1000億円まで成長する」と予測しています。それなのに今、「アドテクが死んでいる」とはどういうことでしょうか。
RTBが生まれる前はいわゆる手売りと言って、人の手を介して売買されていたネット広告がコンピュータによって買い付けられるようになりました。しかも1インプレッション(1回の広告表示)ごとにです。
マイクロアドがその関連サービスを始めたのは2011年で、市場として本格的に立ち上がったのは2012年。その後、プレーヤーがどんどん参入し、アドテクが注目されるようになりましたが、中身はそれほど進化していません。
RTBで自動買い付けしていく中で、ビジネスとして広告効果が出やすいのはリターゲティングです。リターゲティング広告とは、ユーザーがネットの中で、閲覧した関連した情報を文字どおり「追いかけて」広告を出す仕組みで、この分野はマイクロアドが切り開いてきたという自負があります。約6500万人の1日100億件を超えるユーザー行動データを駆使して、広告配信の最適化を追求してきました。
ただ、アドテク関連企業はリターゲティングばかり追いかけている。ブームに乗ってプレーヤーは増えましたが、新しい流れが出てきていません。このままだと飽和して行き詰まってしまいます。