昼も夜も「朝食メニューを」好む人が増加中 米レストラン業界、成長の鍵は「朝食」にあった

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自身を「ブレックファースタリアン」と考える米国人の数の公式な集計はないが、全米レストラン協会が同国の成人を対象に2014年に実施した調査では、「レストランで終日朝食メニューを提供してほしい」との回答は全体の72%に上った。

朝食メニューの充実は2011年から拡大し、大手チェーンにとって明るい材料となっている。マクドナルド、コーヒーチェーンのスターバックス<SBUX.O>、ベーカリーカフェチェーンのパネラ・ブレッド<PNRA.O>は最近の四半期決算で、朝食メニューの販売が好調だったとしている。

サンフォード・バーンスタインのアナリスト、サラ・セナトーレ氏は、マクドナルドの米国事業で朝食が売上高と利益に占める割合はそれぞれ約25%と40%程度だと推計した。

必ずしも成功には繋がらない

ただ、すべてのチェーン店で朝食メニューの提供が成功につながるというわけではない。

「一般的に消費者は朝の習慣を変えることには消極的だ」とセナトーレ氏は指摘。また、米国で鳥インフルエンザの感染拡大により数百万羽のニワトリが殺処分されたことを受け、卵価格は急騰している。

スターバックスはベーカリー商品の拡大で売り上げが落ち込んだとしている。パネラでは、直近の四半期で朝食部門の伸びが昼食や夕食と比較して加速した一方、利益率はより低かった。

ファストフードの朝食事業で優位に立つマクドナルドは、業界で競争が激化する中、朝食事業が底堅いことは証明されていると指摘する。

ただ同社のスティーブ・イースターブルック最高経営責任者(CEO)は第3・四半期について、世界の既存店売上高が増加するとの見通しを示した上で、朝食事業は「特効薬」ではないと指摘した。

一部のフランチャイズ加盟店は、終日の朝食メニュー提供による追加コストに不安を示している。また、ハンバーガーより安価な「エッグマックマフィン」を夕食時に注文する客が増えれば売り上げに影響するとの懸念も聞かれる。

一方、前出のゴールデン・コーラルは、現在は夏季限定の終日朝食メニューを、期間延長またはレギュラーメニューにすることを検討している。深夜の客に朝食メニューが人気のデニーズでは、過去3四半期で顧客数が増加を続けている。

 

(Lisa Baertlein記者 翻訳:本田ももこ 編集:加藤京子)

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