中国の充電器ブランド「アンカー」急成長の理由 新製品は12ミリ超薄型で、電源プラグが可倒式

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例えば、2024年中の発売がアナウンスされている「Anker Prime Charger (65W, Slim, GaN)」は、12mmという超薄型を実現し、タップに差し込んでも他のコンセントに干渉しない。これを実現するために、電源プラグが可倒式となるギミックは、特許を取得し実現している。

この製品の薄さには、非常に驚かされる。しかも、左右のプラグがバタフライ状に連動して180度開閉するギミックも、コンパクトさ、薄さを追求するための楽しい仕掛けだ。

重心をずらす再設計を、顧客の声から

また、「Anker Prime Charger(100W, 3 Ports, GaN)」は、従来の製品に比べて、100Wでノートパソコンの急速充電にも対応しながら、大幅に小型化を実現した。しかし、それだけではない、市場の変化とユーザーの声を反映した進化があった。

「今回のAnker Primeシリーズでは、USB-Cポートでの大容量充電のニーズが拡大していることが背景にあります。

スマホ充電が、5Wから20Wになり、さらに拡大しようとしています。また100Wの電力が必要になるノートパソコンを、スマホと同じUSB-C充電器で充電するような『主電源』としての役割が認知されてきました。

そのとき、安定して、発熱を抑えながら充電ができるか?という部分は、アンカーでも力を入れて取り組んでいるテーマです。加えて、コンパクト化して、カバンの中に持ち歩く際にも、プラグに差したときにも邪魔にならない。

それだけではなく、充電器の重心をずらして、壁の電源プラグに差し込んでも、落ちにくくする工夫をしています。ちょっとしたことなのですが、スペックを上げるだけでなく、使っていくうえでお客様が気になる点を、設計レベルからきちんと見直しています」(猿渡氏)

アンカー・ジャパンのCEO、猿渡歩(写真:アンカージャパン)

2020年4月に筆者が上梓した『Anker 爆発的に成長を続ける新時代のメーカー』でも触れたが、アンカーはカスタマーサポートを内製化し、顧客の声を直接傾聴する仕組みを整えてきた。

不具合品も積極的に交換し、回収した製品を分析して、構造的な不具合が見つかれば、最短2週間でフィードバック・改善した製品を製造しはじめる。

そうした方法論はまだまだ引き継がれており、今回の新製品でも、非常に細かいが、しかし毎日使ううえで重要な問題解決にこぎ着けていた。

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