ジム・ロジャーズ「投資で成功する唯一の方法」 世界の富裕層に共通する「お金」の考え方

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私はシンガポールのスイス系ファミリーオフィスで働いていて、中華系のファミリーオフィスで働いているシンガポール人の友達もたくさんいます。

シンガポール金融管理局(MAS)によると、資産家一族の資産運用を手掛けるシングルファミリーオフィスの数は、同国では2020年の400件から1400件に増えており、東南アジアの50%のオフィスが集中しているという調査もあります。その中で中華系のオフィスは多いと感じます。

HSBC「Theriseof Asian Wealth」によると、シンガポールでは、2030年までに人口の13.4%が富裕層になると予想されており、これはアメリカ、中国本土、またはアジア太平洋地域の他のどの経済よりも高い割合になる予測です。富裕層の移住は現地の雇用を押し上げるなど、さまざまな経済効果があると感じます。

まず、富裕層の定義ですが、世界では一般的に金融資産が100万米ドル(約1億5000万円)以上を指します。日本で億り人と言うと、株式投資や暗号資産取引(仮想通貨取引)などで1億円以上の資産を築いた投資家を指すことが多いようですが、海外では少し定義が違います。

シンガポールで富裕層ビジネスに携わっていると、こうした世界中の富裕層と知り合う機会は多くなります。先日、一代で100億円以上を築いたシンガポール在住の富裕層の中華系アメリカ人女性(40代)を東京で6日間アテンドをしていました。その方は20歳の時に最初の100万米ドルを手にしたという40代の女性の投資家で、コモディティで大成功したようでした。

今回はこうした富裕層から学んだメンタル、思考法、投資行動の共通点をお伝えしたいと思います。

富裕層に共通するリスク許容度の高さ

ファミリーオフィスでは、お客様の投資を始める前にリスク許容度診断を必ずします。その方が許容できるリスクの範囲内から最適なリターンを追求するためです。もちろん人にもよりますが、日本人の多くはローリスク、ローリターンを好む方が多いですが、中華系はハイリスク、ハイリターンを好む方が多いと感じます。欧米系はその中間くらいの印象です。

一代で富裕層になった方の多くはリスクの許容度がかなり高く、リスクへの耐性がある方が多いと感じます。例えば、融資などは最大限引き出して投資をするなどです。当然、損をする時は大きくなりますが、儲かる時も大きいのであまり気にしない方もいます。

楽観的でリスクを取る方が多いのですが、普通の人がいきなり大きなリスクをとると大失敗するので、日常から小さなリスクを取る訓練を重ねることをお勧めします。

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