ジム・ロジャーズ「投資で成功する唯一の方法」 世界の富裕層に共通する「お金」の考え方
例えば、会議の際には必ず挨拶と発言をするなど。先ほどの富裕層の女性は壇上に立ってパフォーマンスをする機会があると、真っ先に手を上げるタイプでした。こうしたことを繰り返すと、試行回数が増えます。
旅行の行き先を選ぶ、外食の時にメニューを選ぶなど生活をする中でもいろいろな選択肢はあります。そうした何気ないことでもいつもと違う選択肢を選ぶことで少しずつ自分の殻を破ることはできます。
富裕層の思考法
富裕層の思考法としては、他人と違うことに着眼する方が多いと感じます。自分の頭で理解できるまで徹底的に調査をするところもあります。
「人と異なる考え方をすれば、他の人には見えないものが見えてくる。それが成功への第一歩だ。もし、周りから自分の考えを馬鹿にされたり、笑われたりしたら、大チャンスだと考えればいい。人と同じことをして成功した人は、いままでにいないのだから」(『お金の流れで読む 日本と世界の未来』)
何かの分野で成功した方は、偏見を持たずに、子供のように曇りのない目で事実を直視する人が多いと感じます。数分後に意見や判断が変わることもありますが、それは数分後に状況が変わったから対応が変わるのだと感じます。そのため、成功した方のアドバイスを聞いても、数分後には本人も判断を変えるかもしれないので意味がなく、自分で考える必要があると気付かされました。
ジム・ロジャーズ氏は「投資家として成功を収める唯一の方法は、自分自身がよく知っているものに投資をすることだ」と言います。
「株式であれ債券であれ、あなたがどんな知識を持っているかによって投資すべき商品は変わる。株式が何たるかを知らずに株式を持つべきではないし、債券の仕組みを理解せずに債券に投資をしてはならない。もし不動産が大好きで、いつも見て回っているような人であれば、全資産を不動産に投入しよう。そうした人が『分散投資にするとリスクが低い』という言葉を信じて、詳しくない株式にも投資をするのは間違いだ」(『日本への警告』)
富裕層の多くは自分が最も得意な事業で財産を形成した方がほとんどです。UBS Billionaire Ambitions Report 2023によると、2022年から2023年の間に相続ではなく、起業によって新たにビリオネアとなった人々に目を向けると、大半はIPOのような特定のイベントからの利益ではなく、ビジネスの自律的成長、つまりビジネスからの利益を積み上げて資産を蓄積しています。
富裕層の割合が高いシンガポールでは、不動産の値上がり益も資産増大に貢献しているものの、会社員をしながら100万米ドルを築いた方も多いです。よく分からない投資に手を出すよりもまずは本業で資産を作ることが重要だと気付かされます。
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