説得が下手な人は「相手の話を聞いていない」 ヒアリング能力を高めるために意識すべき3点
もし、その場で質問してもらってもいいですよと言われているなら、その場で遠慮なく説明を求めましょう。話している人から見たら、何か会話をさえぎられたというよりは、自分が言っていることを真剣に理解しようとしている、という姿勢にうつり、不快感を持つことはありません。
あとは「言い換え」も理解を深める上で有効です。聞き取ったことを振り返って、「もし私の理解が正しければ、あなたが言っていることはこういうことですか」と聞いてみるのです。すると、自分がちゃんと正しく理解できたのかを確認できます。これは必ずやったほうがいいでしょう。
相手の話を理解するには、「クリティカルシンキング」も重要です。
相手に対して議論を吹っ掛けるのではなく、別の視点を持つことで、相手が言っていることや議論の内容を客観的に分析したり、評価したりできます。すると、相手の言うことを理解しつつも、「まったく違う視点、正反対の視点だとどういう思考になるんだろう」と考えることができ、相手の視点と自分の視点、両方の長所・短所を見極められます。
とくにクリティカルシンキングは、日本人が非常に弱い分野だと思うので、スクールなどで学んでも良いでしょう。
あとは「文化的理解」も重要です。
たとえば多国籍の人が集まるミーティングの場で、バングラデシュの方と話すのと、中国の方と話すのとでは文化的バックグラウンドがまったく違うことを理解しておかなければなりません。相手のコミュニケーションスタイルや価値観は自分とは違うというマインドセットを持ち、自分の思い込みをとりはらって相手の言うことをまずは真摯に受け取りましょう。
相手の視点や感情に「共感していますよ」と示す
3番目のポイントは「共感」です。
相手の意見に100%同意する必要はありませんが、相手の視点や感情を理解しようとして、「共感していますよ」と示すことは重要です。
私が共感のお手本になると感じたのは、先日、新しいiPhoneを買いに行ったときに出会った販売員の女性です。新しい機能の説明を受けた後、価格を聞いたら高かったので、「やっぱり、キャリアの月額を考えると、いま支払っている金額より高いですね」と私が言いました。
このとき、普通の販売員の人だと「いやいや、もうこれが最新で大人気なのですよ」とか「年払いにしたら1カ月分は200円ぐらいの違いしかないですよ」というように、料金の高さを打ち消しにいくでしょう。
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