子供から「人を殺すかも」と言われたらどうする? 気持ちを受け止めて心を開くための受け答え

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

あるいは「誤解されてしまった」ことを知り、「違うよ」と答えます。子どもから「イエス」か「ノー」のボールが返ってくるわけですから、親にも自分の理解が正しかったのか、間違っていたのかがわかります。

たとえば、子どもから「テストの点が悪かった」と言われれば、「何点だったの?」「どうして間違えたの?」などと聞きたくなるかもしれません。しかし聞きたいという自分の気持ちを優先したのでは、相手の思いを受け取ることになりません。相手のボールを受け取るためには、こんなふうに言います。

「ああ、テストの点が悪かったのね」
 「テストの点がよくなかったんだね」
 「テストの点が悪くてがっかりしたのね」

子どもが投げた同じボールを投げ返す

このような言葉で子どもの言葉を受け止め、確認し、気持ちを汲むことが、子どもの投げた同じボールを投げ返すことです。同じボールが返ってくれば、子どもは自分が発した言葉の意味やその裏にある自分の感情を整理し、自覚し、より深く考えることができます。

「親業」のはじめかた~思春期の子と心が通じあう対話の技術
『「親業」のはじめかた~思春期の子と心が通じあう対話の技術』(大和書房)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

親なら誰でも子どもにあれこれ言いたいことを持っています。それを我慢して、ひたすら子どもの話に耳を傾けるのは不自然であり、親としてストレスがたまるだろうと思われるかもしれません。

しかし「能動的に聞く」のは、言いたいことを我慢することとは違います。「聞く」ことがもたらす驚きや感動を一度体験すれば、子どもの話を聞くのがどんどん楽しくなってくるはずです。

近藤 千恵 親業訓練協会顧問

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こんどうちえ / Chie Kondo

1968年、国際基督教大学卒業。同時通訳者として活動するかたわら、アメリカの臨床心理学者トマス・ ゴードン博士が開発した「親業(PET)」インストラクターの資格を取得。 1980年に親業訓練協会を設立 し、親業の普及につとめる。翻訳書に『親業ーー子どもの考える力をのばす親子関係のつくり方』『ゴードン博士の人間関係をよくする本 自分を活かす相手を活かす』、監修書に『「親業」ケースブック』シリーズ(いずれも大和書房)などがある。

この著者の記事一覧はこちら
親業訓練協会
おやぎょうくんれんきょうかい

親と子をはじめ、あらゆる人間関係における効果的な方法を学ぶ講座、講演会、研究会などの開催を行う。親子関係に焦点を当てた親業訓練講座のほかに、教師学講座、看護ふれあい学講座、自己実現のための人間関係講座、ユース・コミュニケーション講座がある。親業訓練インストラクター(指導員)の養成 ・認定も行う。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事