子供から「人を殺すかも」と言われたらどうする? 気持ちを受け止めて心を開くための受け答え
子どもから「人を殺すかもしれない」などと言われて驚かない親はいません。多くの親は「なんていうことを言うの!」、あるいは「そんなことは冗談でも言ってはいけない」などと、あわてて子どもをたしなめようとするでしょう。
しかし、「人を殺すかもしれない」と言った子どもの気持ちを想像してみてください。よほどひどい目に遭ったか、つらい思いでいるのではないでしょうか。ほんとうに信頼している相手の前でしか言えない言葉です。
お母さんを「不満をぶちまける相手」に選んだ意味
お母さんは、苦しい思いをぶつける相手として武弘くんに選ばれたのです。それなのに頭から叱られたりしたら、武弘くんはどんな気持ちになるでしょう。
ひょっとしたら、その先、どんなにつらいことがあっても、お母さんの前では本音を言えなくなるかもしれません。すべて自分ひとりで抱えこんでしまうようになるかもしれません。
お母さん自身、「人を殺すかもしれない」と言われたときは、一瞬、ドキッとしたと言います。しかし叱るより前に、まずは武弘くんの言葉に耳を傾けました。そして、武弘くんの気持ちを受け止めることを第一と考えました。
その結果、「僕、やっぱり殺さないと思うよ」という結論を、武弘くん自身の言葉で聞くことができました。おそらく、武弘くんが今後、もっと大きなトラブルに直面したときにも、このお母さんなら思いのたけをぶちまける相手として選ばれることでしょう。