「音楽聴き放題」の大混戦に待ち受ける現実 アップル、LINE、AWAの優劣は速攻で決する

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海外勢の存在感も大きい。iPhoneに自動的にインストールされる「アップルミュージック」は、ユーザーが保有する楽曲の情報を把握できるため、ユーザー規模だけでなく、データの量、質ともに圧倒的な存在になりうる。特に、国内のiPhone人気は世界でも突出したレベルだ。アップルの独り勝ちを警戒する業界関係者は多い。

さらには、7500万人(有料会員2000万人)のユーザーを抱えるスポティファイの日本上陸も取りざたされている。あるレコード会社幹部は「スポティファイには無料プランがあり、アーティストに納得してもらえない。現在の条件で許諾することはないだろう」と語るが、現在もスポティファイが各社と交渉を進めているのは事実だ。

どれだけの有料会員を取れるのか

今後の焦点は有料会員をどれだけ獲得できるか、という点だ。LINE、AWA、アップルともに現在は無料で、それぞれ8月以降に無料期間が終わる。ユーザーにとっては、せっかく作ったプレイリストを捨てて他社サービスへ乗り換えるのはハードルが高い。必然的に、勝負は先行逃げ切りの短期決戦になる。AWAの若泉取締役は「年内には趨勢が見えてくるのではないか」と語る。

「アップルミュージック」は、アップデートによって端末に自動的にインストールされるため、圧倒的なユーザーを獲得する可能性がある。ユーザーの楽曲情報を認識できる点も脅威だ

仮に有料会員が少なければ、現在、様子見ムードのレコード会社やアーティストは否定的な見方に偏るだろう。すると、さらにユーザー獲得に苦戦することも考えられる。

一方で、ストリーミングが明確なトレンドになれば、レコード会社は変化を迫られる。「一度販売するだけのCD販売と異なり、ストリーミングでは楽曲を聴き続けてもらい、長期で“面積”を作ることになる。ライブや商品に結びつけるマーケティングもさらに重要になる」(ユニバーサルミュージックの島田和大執行役員)。

ようやくストリーミング元年を迎えた音楽業界。音楽プロデューサーの小室哲哉氏が語るように「音楽配信は戦国時代になっていく」。「所有」から「利用」に変わりゆく音楽にどれだけのユーザーがカネを払うのか。業界の行く末を示す数字は、間もなく明らかになる。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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