「肉の切り方」は"焼き肉の常識"を変えるか 経営しているのは、あの老舗演芸ホール

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そのため社の方針として、現場での料理・サービス品質の管理を組織的に徹底させているという。例えば坂井さんは「スーパーバイザー」という肩書きで、日本橋本店以外の2店舗を週に2日は巡回し、実際に現場で働きながら、サービス品質を維持しているそうだ。

また店舗ごとに雰囲気やコンセプトを変えているのは、客のニーズ変化に対応するためもある。例えば新店舗である人形町店でのトレンドを見て、日本橋本店や数寄屋橋店に新たな展開として応用することも考えられる。

「日本橋本店は数寄屋橋店と同じパッケージを展開していますが、お酒のグレードなどももう少し上のものを用意していますし、よりゆっくり食事をしてもらう雰囲気をつくっています。さらに人形町店では、雰囲気だけでなくメニューもガラリと変えています」(坂井さん)。

人形町店は「女性路線」

人形町店の店内の様子

人形町店は「肉の切り方 集会所」というその店名からして、かなりくだけた雰囲気だ。本店と同様「極め」「任せ」といったコースが用意されているものの、価格は少し下がって、3700〜6500円。赤身肉を中心にバランスよく盛り合わせたメインの焼き肉に、サラダやチーズフォンデュなどを組み合わせている。コストを抑えるという目的もあるが、女性目線やヘルシー志向を意識してのメニュー展開だという。

「一つには、赤身肉がヘルシーだということで、人気が出ていますよね。また女性が楽しめる店にしたかったという理由もあります。やはり女性の視点をもっとも意識します。会社の同僚同士で食事に行くときにでも、必ず女性に聞きますよね。女性に好まれるかということは、成功の鍵を握っていると思います」(坂井さん)。

オープンしたばかりのため、今は平均客数なども掴めない状況だが、坂井さんによると「オープン後初めての3連休はかなりお客が入った」という。同店の「女性路線」はもくろみ通りに行くだろうか。結果はこれからだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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