「8歳の誕生日プレゼント」が導いた大富豪への道 ChatGPTの親・アルトマンCEOが過ごした幼少期

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2014年、Yコンビネータの業績を報告するブログの中で、アルトマンは「エアビーアンドビー(Airbnb)」や「ドロップボックス(Dropbox)」、「ストライプ(Stripe)」をはじめ同団体が育成したスタートアップ企業の時価総額が650億ドル(約7兆円)を超えたと述べた。

これらスタートアップの事業支援に関わる仕事を通じて、アルトマンはリード・ホフマンやピーター・ティールをはじめ数々の著名起業家・投資家らと緊密なコネクションを築き上げた。

個人資産3000億円を築く

また、自分のVCや自分自身によるスタートアップ投資などから、個人的にも巨万の富を蓄えた。アルトマンの個人資産額は公式には明らかにされていないが、ブルームバーグ・ビリオネア指数によれば(2024年時点で)少なくとも20億ドル(3000億円)は下らないと見られている。ウォールストリートジャーナルの報道では、それよりもずっと多く、実に28億ドル(4200億円)以上と見ている。

アルトマンが投資で大成功した主な理由は、その投資先の多くがYコンビネータによって育成されたスタートアップ企業であり、その内情を彼が熟知していたことにあると見られている。

いわゆる利益相反に当たる恐れもあることから、アルトマンはYコンビネータの同僚らには、自分と同様の行為を禁止したと言われている。

巨万の富を蓄えたアルトマンは、その一部をかなりの道楽に費やした。中でも彼のクルマ好きは関係者の間でよく知られている。約2000万ドルのマクラーレンF1をはじめ多数のスポーツカーや電気自動車などを所有し、自身も自動車レースに参加したことがあるようだ。

アルトマンはいわゆる「プレッパー(prepper)」の一人でもある。

プレッパーとは地震や洪水などの自然災害、パンデミック(感染爆発)、核戦争、経済・社会的混乱など予期せぬ事態に備えて予め入念に準備しておく人達のことだ。

イーロン・マスクを超える男 サム・アルトマン なぜ、わずか7年で奇跡の対話型AIを開発できたのか
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アルトマンはカリフォルニア州・中央海岸沿いの風光明媚な保養・観光地「ビッグサー(Big Sur)」に広大な私有地と「プレッパー・ハウス(核・化学・生物兵器などへの防御機能や風力・太陽光発電、農園など自給自足機能を備えた特別設計の居住施設)」を所有している。

この特別施設に「銃、金(ゴールド)、ヨウ化カリウム、抗生物質、水、そしてイスラエル国防軍から入手したガスマスクを備蓄している」とアルトマンは公言している。いざというときには、自宅(大邸宅)のあるサンフランシスコからそこに(プライベートジェット機などで)飛んでいけるのだという。

またアルトマンはかなりの早寝早起きで、いつも午後9時前には就寝してしまうとの説もある。

アルトマンがイーロン・マスクとOpenAIを設立するのは、2015年、既に巨万の富を築いた後のことである。

小林 雅一 KDDI総合研究所リサーチフェロー、情報セキュリティ大学院大学客員准教授

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こばやし まさかず / Masakazu Kobayashi

東京大学理学部物理学科卒業、同大学院理学系研究科を修了後、雑誌記者などを経てボストン大学に留学、マスコミ論を専攻。ニューヨークで新聞社勤務、慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所などで教鞭を執った後、現職。著書に『クラウドからAIへ──アップル、グーグル、フェイスブックの次なる主戦場』(朝日新書)、『AIの衝撃──人工知能は人類の敵か』(講談社現代新書)、『生成AI──「ChatGPT」を支える技術はどのようにビジネスを変え、人間の創造性を揺るがすのか?』(ダイヤモンド社)など多数。

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