クマを愛するYouTuberがクマに襲われ危機一髪 クマとの遭遇予防策は? "おにぎりグマ"とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ツキノワグマの寿命は15~20年程度。一度味をしめたクマが何度もその場所に来る可能性があるほか、母グマの習性から学んだ子どもにも引き継がれれば、クマ出没の連鎖は続いていくことになる。

「人を襲っても、人から攻撃されないことを学んでしまったクマは何度でも来る」と佐藤さんは指摘する。

クマとの遭遇をいかに防ぐか

クマを愛する佐藤さんだが、"おにぎりグマ"や市街地に出てくるクマは「捕獲するしかない」という。折しも、これまで市街地に出たクマを捕獲するための猟銃の使用は原則禁止とされてきたが、相次ぐ人身被害を受け、2024年には規制緩和に向けた議論も進み始めた。

一方で、クマに遭遇するリスクは、市街地よりも山の中のほうが高いことは言うまでもない。遭遇リスクを減らすための対策を佐藤さんに聞いた。

①50m以内にクマを入れない

佐藤さんがこだわるのは50m以内にクマを入れないこと。50m程度の距離があれば、音を出して存在を知らせれば、一般的なクマであれば逃げていくことが多い。クマより先に気づくことが何より重要だ。

②速く歩かない

登山やハイキングで山を歩く人の中にはスピードを重視する人たちもいるが、すばやく動くと、クマがこちらに気づくのが遅れ、接近してしまう危険が高まる。特に笹薮など視界が良くないエリアではゆっくり歩いたほうが良い。

③気配を感じながら歩く

クマが頻繁に通る箇所には、糞や爪痕が残っていることも。クマ独特のケモノ臭が残っていることもあるため、クマの気配がないかどうか五感を張り巡らせて歩く。また、沢や川の近く、雨の日は、水の音によってクマの立てる音が聞こえにくいので、要注意。

④ストックや杖を持つ

万一、クマに遭遇した時に備えて、登山用のストックや杖を持っていると心強い。佐藤さんは、木の棒を使ってクマとの距離を確保し、致命傷を防いだ。クマよけスプレーは7〜8mの至近距離にしか届かないため、とっさに発射することは難しいが、同行者が襲われた際には役立つ。

遭遇した場合に身を守る術を聞くと、佐藤さんは「背を向けると、クマは自分より弱い生きものだと認識し襲ってくるため、目をそらさずに撤退するのが原則」としたうえで、「クマも人と同じで1頭1頭性格が違い、出くわす状況も違う。山に入る以上は覚悟を決めるしかありません」。

最近は日々のクマの出没状況をSNSなどで発信している観光施設やキャンプ場も多い。事前にクマ遭遇のリスクをリサーチしたうえで山のレジャーを楽しみたい。

【写真】以前、佐藤誠志さんが山で見かけたクマなど(10枚)
手塚 さや香 岩手在住ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

てづか さやか / Sayaka Tezuka

さいたま市出身。毎日新聞の記者として盛岡支局や学芸部で取材経験を積んだ後、東日本大震災からの復興の現場で働くため、岩手県釜石市に移住。復興支援員として活動し、2021年にフリーランスとして独立。一次産業や地方移住の分野を中心に取材・執筆しているほか、キャリアコンサルティングや地域おこし協力隊の支援活動も行っている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事