セレブたちが愛する「非常識なお茶」の秘密 従業員11人の日本の会社が起こした奇跡

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ロイヤルブルーティーのお茶は、色や香りも楽しんでいただきたい。ですので、ワイングラスで提供するというのは譲れない点です。

一口飲んだときの感動、ファースト・インプレッションを大切にしたいというのが、私たちのポリシー。ですから、100人ほどの来場者に紙コップを配り、お茶を少しずつ飲んでいただくようなことは絶対にしません。その飲み方でのファースト・インプレッションは、おそらく最悪でしょう。ロイヤルブルーティーのファンになってもらえるどころか、自ら顧客を失うようなものです(こうした私たちの趣旨をご理解いただいたうえで、セミナーや講演会でお出しする場合もあります)。

なぜファーストクラスで使ってもらえたか

ロイヤルブルーティーのお茶は、世界的に高品質だと認められている商品です。そう断言できるのは、SGS-HACCPという国際食品安全システムにのっとって管理しているからです。

HACCPはHazard Analysis and Critical Control Pointの略で、国際的に認められた食品の安全を確保するための管理手法、SGSは国際的に信頼されている認証機関です。HACCPを取得する過程で、添加物を使わず、加熱もしない方法で水出しのお茶をボトルに詰める工程を私たちは完成させました。

SGS-HACCP認証を取得した理由のひとつとして、国際線のファーストクラスのお客様にふさわしいサービスで使ってもらいたい、という思いがありました。

高級なお茶を飲むシーンとして、国際線のファーストクラスはもっともふさわしい場所のひとつだと思います。私たちは、最初から世界で展開することを視野に入れていたのです。

そして、国際線を飛ぶ航空会社に商品を提案するためには、食品安全の世界基準、HACCP取得が必ず必要になると考えたのです。当時は会社を立ち上げて間もない頃で、しかもまだ商品未発売でしたから、はたから見たら夢物語だったことでしょう。

商品開発のメドが立ち、SGS-HACCP認証を受ける2007年から、さっそくJALにアプローチを開始しました。途中、JALの経営破綻という想定外の事態もありましたが、2011年、新生JALが始動するというIR情報が流れ始めました。2011年5月に向けて、シンボルマークから機内サービスまで、すべてリニューアルすることが発表されたのです。

私は「JALに入れるとしたらこのタイミングしかない」と直感して、すぐに動き始めました。そしてプレゼンの場で、「わが社の高級茶は、高級ワインやシャンパンと同等のドリンクとして、生まれ変わったJALを象徴するサービスとなるはずです」と力説したのです。

こうして2011年5月から、ロイヤルブルーティーの商品がJALのファーストクラスで提供されることになりました。

商品を売るだけではなく、思想や文化、哲学を世界中に売るのが本物のブランドビジネスだと思います。弊社はお茶を通して、これからも、日本独自の思想や文化を世界に伝えてまいります。そのためにも、緻密なマーケティング・ブランディング戦略は重要課題と思っています。

吉本 桂子 ロイヤルブルーティージャパン代表取締役社長

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よしもと けいこ

ロイヤルブルーティージャパン株式会社代表取締役社長。共立女子大学卒業後、グラフィックデザイナーとして活動。2006年5月、ロイヤルブルーティージャパンを創業。非加熱除菌による独自の茶抽出法を確立し、水出し茶のボトリングに成功する。天皇皇后両陛下がご臨席された2010年5月の第61回全国植樹祭レセプション、同年11月のAPEC横浜でそれぞれ採用される。2014年2月、ボトル1本30万円のMASAスーパープレミアムの販売を開始。

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