コンビニの勢いは増すばかりだ。ローソンが9月13日に出したニュースリリース「 ヨーロッパの本格的なスイーツを6週連続発売!」。
「期間や数量を限定することで希少な素材や手間をかけた製法などを取り入れた『UchiCaféSWEETSシーズンズコレクション』を展開する」といい、商品写真を見れば、百貨店のケーキ売り場や洋菓子店の商品と何ら変わらない、コンビニスイーツとは思えない品々が並んでいる。
深刻なのが、最も市場規模が大きい総合洋菓子店。2011年の市場規模は、前年比6.9%減の2175億円になると見込まれているという。
街の洋菓子店でスイーツを買うのはどんな時だろう。もちろん、誕生日やクリスマスのホールケーキはれっきとした「ハレの日」需要だ。だが、それ以外の個食のカットケーキは特別な日ではない、さりとて日常でもない、ちょっとしたハレの日。「小バレ」ともいうべき日に買われていたのではないだろうか。カットケーキを選んで組み立て式の紙の箱に入れてもらう。小さなサプライズに用いられるのに、ケーキは贈る側にも贈られる側にも最高のアイテムだ。だが、ローソンのリリースの写真を見ると、その需要をすっかりすくい取ってしまうだけのインパクトが、新しいラインナップにはある。
調査リポートでは、洋菓子店の中には「ロスが少なくコンビニとあまり競合しない焼菓子に注力する動きが見られる」とある。「ケーキを買ってきたよ」といわれて期待に胸を膨らませて中を見たらパウンドケーキだった。なぁんてことになったら、キモチの凹みはハンパでは済まない。
食べログで3.5~4.0の高評価がつくプレミア店は除き、価格や商品力ではもはや、コンビニに勝てない。
街の洋菓子店の顧客数はコンビニとは比べものにならないぐらいに少ない。また、店員の数も限られており、家族経営も多い。だとすれば、その規模の小ささを大きな武器にしたい。
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