OpenAIが「ベーシックインカム」を激推しするワケ AI絶望格差の対応へテック企業が実証実験

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(写真:Jim Wilson/The New York Times)

ここ数年、テック業界は困窮した人々に対し無条件で月額500ドルか1000ドルを試験的に給付してきた。こうした実験の一部が行われているシリコンバレーの中心部では寝室1部屋のアパートの賃料が月3000ドルに達し、質素な住宅でも手の届かない贅沢品であることが普通となっている。

シリコンバレーがこのような取り組みを支援することで、所得保障の政策アイデアが本流へと押し上げられている。所得保障は、現金給付、無条件現金支給とも呼ばれ、その最も理想主義的なものがユニバーサル・ベーシックインカム(UBI)だ。データでは所得保障プログラムの有効性が示されているようだが、超党派の政治的なコンセンサスには亀裂が生じている。

勝利を収めているベーシックインカム運動

ここ数カ月で、テキサス州の司法長官はヒューストンのベーシックインカム・プログラムに公的資金が使われるのを阻止しようと裁判所に訴えた。アイオワ州、アイダホ州、サウスダコタ州の共和党陣営は同様のプログラムを禁じ、アリゾナ州では禁止措置に知事が拒否権を発動している。

ベーシックインカムの運動は、いくつかの勝利も収めている。オレゴン州ではこの秋に、州全体を対象とするベーシックインカム・プログラムの法案について投票が行われる可能性が高い。州の各住民に年間750ドルを給付するもので、売上高が2500万ドルを超える企業に3%の税金を課すことでその財源を賄う。

オープンAIのCEOサム・アルトマン、テスラのCEOイーロン・マスク、ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシー、セールスフォースのCEOマーク・ベニオフなどが後押しする所得保障は今、重大な局面を迎えている。

これまでで最大の直接現金給付プログラム「無条件所得給付調査」の結果が近く公表される予定となっているからだ。

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