OpenAIが「ベーシックインカム」を激推しするワケ AI絶望格差の対応へテック企業が実証実験

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この調査は、人工知能(AI)ブームの重要な旗振り役に浮上したアルトマンのアイデアで、AIはそれまでのものを一掃するとアルトマンは述べている。AIで代替可能な仕事に従事している人は、やがて所得保障が必要になる可能性があるということだ。

アルトマンは2016年、それまで厳密にテストされたことがなかった政策についてデータ収集を行うと発表し、こう言った。「何らかの所得保障がなければ、本当の機会平等は実現できない」。所得保障に批判的な人々の間では、給付金は宝くじや酒に浪費されて終わるだけではないのか、という疑問が浮上した。

そうした疑問に対する答えは、「無条件所得給付調査」よりも何年か早く調査を終えた数十の試験的プログラムによって明らかとなっている。推進者らによれば、ベーシックインカムは万能薬ではなく、住宅に手が届かない問題を解決するものではないが、ギリギリの生活をしている世帯を安定させ、生活の崩壊を防ぐ助けとなっている。

実は周回遅れのテック企業

ベーシックインカムの推進派はアルトマンの調査を歓迎しているものの、推進派の課題はより大規模なプログラムを確立することに移っている。調査の段階は終わった、というのが彼らの立場なのだ。

「この国は緊急事態にあるのだよ、アルトマン」。シリコンバレーでベーシックインカムの試験的プログラムを運営する非営利団体「デスティネーション:ホーム」のジェニファー・ラビングは、こう問いかけた。

「アメリカでは一部が金持ちになる一方で、ますます多くの人々が貧しくなっている。格差の溝を悪化させるのではなく埋めるうえで、あなたの責任とは何ですか?」

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