「ブラックぺアン2」"考察少なめ"でも面白いワケ 猛暑の今夏だからこそ求められる「王道エンタメ」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ブラックペアン2
前作『ブラックペアン』と同じく主演は二宮和也だが、役が違い、銀髪になって挑んだ本作(画像:『ブラックペアン シーズン2』公式サイトより)

王道のエンタメが帰ってきた! 日曜劇場 『ブラックペアン シーズン2』(TBS、日曜21時〜)のことである。

命(健康)とお金、人間の2大欲求にシンプルに迫る、間口の広いドラマで、言ってみれば『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日)の男性版かつ医療部分多めみたいなものである。当たらないわけがない。視聴率も安定している。

金に目のない悪魔のような主人公という触れ込みではじまった『ブラックペアン シーズン2』だが、実のところ、圧倒的にヒューマンドラマで、やっぱりそれがいいのだと思う。とくにこんな猛暑が続く時期には。

『アンチヒーロー』を今夏にやっていたらしんどかった

天才外科医・天城雪彦(二宮和也)は「神に愛された悪魔」と呼ばれている。心臓冠動脈バイパス術の世界的大家で、「ダイレクト・アナストモーシス」という高難度の技のできる世界で唯一の存在だ。が、その一方で「患者から大金を巻き上げる、悪魔のような医者」として悪名も高い。

芸術的なまでの手術の才能を、高額な金額でのみ開陳する天城(手術中、主人公の超絶テクを、芸術として表現するように荘厳なクラシックが流れる)。彼はオペを引き受けるにあたって患者と賭けをする。掛け金は患者の全財産の半分で、患者が賭けに勝ったらオペを引き受けるという非道なものだ。

お金はお金でも賭け事なので、『カイジ』みたいという声もSNSではあがっていた。ちなみに、他局で放送している『新宿野戦病院』(フジテレビ)の主人公(小池栄子)は、お金持ちでも貧しい人でも誰でも平等に助ける医者であり、とかく金ありきの天城とは対極を成している。

次ページ第3話にして早くも、仮面が剥がれる?
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事