「マルク復活、ユーロ崩壊」論、世論の救済反対で現実味


もっとも、欧州債務危機の行方を大きく左右するのは、ユーロ参加国で最大の経済規模を誇るドイツと、第2位のフランス両国の動向だ。「独仏両国がどこまで覚悟を決めることができるかに懸かっている」(経済産業研究所の中島厚志理事長)。

中核国が多額の財政負担を強いられるユーロ共同債の発行容認や、欧州金融安定化基金(EFSF)の規模拡大への貢献などが、ユーロ安定のカギになりそうだ。

「ギリシャを追い詰めたら、伝播の引き金を引くだけ」(みずほ証券リサーチ&コンサルティングの小原篤次・投資調査部副部長)。それでも、今のところ、両国の足並みがそろっているとは言いがたい。

ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領は、ギリシャのパパンドレウ首相との14日の緊急電話会談で、「ギリシャは将来もユーロにとどまることを確信している」との考えを明らかにした。しかし、メルケル首相はギリシャがユーロの枠組みに残ることは認めながらも、ユーロ共同債の発行など抜本的な打開策には踏み込まないままだ。

同首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)の連立政権のパートナーである自由民主党(FDP)幹部らは、ギリシャ支援反対へ傾く世論も強く意識。ギリシャのユーロ離脱や破綻などへの言及が相次いでいる。

一方、フランス国内では「ドイツほど救済反対の議論は活発化していない」(同国の日刊紙記者)。20カ国・地域(G20)ならびに主要8カ国(G8)議長国でもあるだけに、サルコジ大統領はギリシャなどへ手を差し伸べることに前向きだ。

その裏には「野党社会党が経済危機に対して受け身なこともあり、来年の大統領選を控えてイニシアティブを握りたいとの意向もちらつく」(同)。

ただ、仏経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は盤石とはいえない。政府債務残高の対国内総生産(GDP)比率は昨年時点で約84%(独は同80%)、財政赤字の対GDP比は7・7%(同3・3%)といずれもドイツに見劣りする(数値の出所は国際通貨基金)。財政危機支援は今後、「ドイツ頼み」の色合いを濃くする可能性もありそうだ。

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