「マルク復活、ユーロ崩壊」論、世論の救済反対で現実味


欧州の通貨統合にはそもそも、ドイツを囲い込むことで「第三帝国」再来を防ごうとの狙いもあった。だが、ドイツの影響力が強まれば、皮肉にも「ドイツ共栄圏形成などを後押しすることになりかねない」(同志社大学大学院の浜矩子教授)。ユーロ各国はジレンマに直面する。

損得勘定を考えればユーロ崩壊はないが…

「各国に似たような経済状況が現出する、という“最適通貨圏”の要件をユーロ圏が満たしていないのは明らか」(経済産業研究所の中島氏)。“粉飾決算”をしていたギリシャのユーロ加盟を認めたのは、「単なる政治的決断にすぎなかった」(同)。

同国へのユーロ導入は2001年。発足から2年遅れて仲間入りできたのも、「ギリシャは欧州文明の源という理由から」(前出の仏日刊紙記者)。当時のツケが重くのしかかる。

仏経済学者のジャック・アタリ氏は13日の来日時の会見で、「ユーロを崩壊させるほうが財政的な連邦主義に進むよりもコストが高くつくことを認識すれば、危機は容易に解決できる」と語った。だが、経済合理性に基づく判断が必ずしも優先されるとはかぎらないことは、歴史が証明している。

(週刊東洋経済2011年10月1日号より)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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