雑貨の中川政七商店が「コンサル」を手がける狙い スモールビジネスの経営者を一貫サポート
生活雑貨の企画、小売りを主な事業とする中川政七商店は、2009年から主に小規模な工芸メーカーを対象にコンサルティングを行ってきた。経営ノウハウからブランド開発、流通、広告・宣伝、販路開拓など細部に至るまで一貫してサポートする。
「日本の工芸を元気にする」ことが最大の目的で、一般的なコンサルティング料よりも低い料金でサービスを提供してきた。
伝統的工芸品産業振興協会によると、伝統工芸品の産地出荷額は最盛期の約5分の1まで減少した。
廃業する工芸メーカーも増えている。中川政七商店は自社工場を持たず、800社を超える工芸メーカーと手を結び、商品開発を行っているため、メーカーの減少から大きな影響を受ける。
ものづくりへの思いをどう実現するか
「工芸品が売れなくなっている背景として、メーカーはものづくり、流通は卸という昔からの業界構造がある。状況を変えていくためには、メーカーが魅力的な商品を作り、発信していく必要がある。そこで『経営をよくする』ことを目的に、事業計画からブランド開発をサポートしたいと思った。それが当社のコンサルティング。ものづくりへの思いを、経営を通じてどう実現するか。コンサルティングは、決算書を見て、現状診断をするところから始める」(中川政七商店 カンパニーデザイン事業部の安田翔氏)
破産寸前だった年商数千万円の陶磁器メーカーの業務改善を手伝い、産地の強みを生かした新ブランド立ち上げにつなげることで、年商数億円規模まで再起させたこともあったという。
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