真面目な人ほど職場で「闇堕ちしてしまう」真因 「倫理感の欠如で不正が起きる」への違和感
昨年、34年にもわたるデータの捏造・改ざんなど不正行為が発覚したダイハツ工業。その後の第三者委員会の調査では、「自己中心的な風潮がある組織風土」があることが指摘されましたが、はたして個々の倫理観が欠けていたことが問題だったと片付けていいのでしょうか。
むしろ、真面目な社員が揃っていたからこそ、職場での傷つきをやり過ごしながら、闇堕ちしていってしまった、と組織開発専門家で『職場で傷つく』を上梓した勅使川原真衣氏は指摘します。
眠れないような働き方をした勅使川原真衣の場合
「はぁ?それってファクト? あなたの意見は聞いてない」
「時間かかりすぎ。もういいよ。こっちでやるから」
「考えたらわかるよね? 頭使ってくれる?」
仕事が怖い。職場は戦場だ。
自分が寝ている間に案件がどうなるかわからない。またやらかして、叱責されるんじゃないか。そう思うと、眠れなくなり、夜になるのが怖くなる。明け方まで起きていると当然眠気がとれず、また日中に職場で凡ミス。また自信を失い、すべてに疑心暗鬼になり、また眠れず。案の定、入社後最初の人事評価で5段階の最低評価を食らった。もう3か月で芽が出なければ辞めるしかないな……そんな気持ちだった。
――これは20代~30代前半の私の話です。当時「心理的安全性」という言葉も「ストレスチェック」も存在しませんでしたが、職場(コンサルティングファーム)に自分の居場所はなく、極度のストレスで見た目も心もボロボロでした。
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