18、19歳成人でも喫煙・飲酒禁止はなぜ正しいのか 「成人なら喫煙や飲酒も自己責任」に危うさ
未成年者がなぜ保護されるのかといえば、法律論では制限能力者とされているためだ。行為能力を欠くために、単独で行った法律行為を事後的に取り消すことが可能とされている者のことだ。
簡単に言えば、自分がなした法律行為の結果に対して責任を持てる能力があるとみなされるか否かということだ。それを18歳で認めているのだから、喫煙・飲酒も自己責任で判断すればよいという考えもある。
成人に対しても選択権を制限する必要性
しかし、そもそも成人(大人)なら、適切な判断を行えるのかという問題がある。適切でないとしてもそれは自己責任である、不利益やリスクが生じても甘受すべきという考えがある一方で、射幸心を煽るものや明らかに生命の危機や健康に有害のあるものに対する成人の選択権を制限する法制度や施策があることも理解する必要があろう。
例えば、カジノを含む統合型リゾート(IR)計画に対する反対の声があるが、その理由の一つにギャンブル依存症の問題がある。ギャンブルは未成年者に対しては禁止することは当然として、大人に対してもそうした機会があることを問題視する考えだ。
パターナリズムという概念がある。簡単に言えば、強い立場にある者が、弱い立場にある者の利益になるようにと、本人の意志に反して行動に介入・干渉することだ。
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