発表あるか?「熱中症特別警戒アラート」の危険性 もはや"災害級" 猛暑にどう対処すべきか

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仮に「特別警戒アラート」が発表された場合、どのような状況になるのか。

岡氏は、予防行動が取られないと仮定すると、救急搬送数や死亡者数は、「指数関数的に増える可能性がある」と警告する。

熱中症予防行動を呼びかけるポスター
政府が作成している熱中症予防行動を呼びかけるポスター(出所:気象庁HP)

また「特別警戒アラート」は広域を対象に出されるため、エリア全体で救急医療が逼迫する状況も想定されるという。

日本では高齢者を中心に熱中症による死者数が、2018年以降(除く2021年)、毎年1000人を超えている。この数は自然災害による死者を大幅に上回る(環境省)。高齢者や既往症がある人が被害を受けやすいという点では、コロナ禍と似ている。

熱中症の症状は、軽度の場合、めまいや筋肉の痙攣、中程度で吐き気や嘔吐、重度の場合は意識喪失や呼吸困難になり、死に至るケースもある。しかし田中内科クリニック(神奈川県大和市)の田中啓司院長は、「熱中症と診断するのは、実は勇気がいる」と話す。

田中院長は、まずは本人や家族から水分補給や具合が悪くなる前にいた場所を聞くほか、問診では舌や皮膚の渇き具合と血圧などをチェックする。

しかし、熱中症と似たような症状の患者が、実は「脳梗塞だった」こともあったという。また、熱中症から脳梗塞に進行するリスクを考え、大病院を紹介することもあるという。

過酷な夏をどのように生き抜くべきか

熱中症予防について岡氏は、「基本的にはエアコンの適切な使用と水分・塩分補給の2つを守れば防げる」と話し、「これが自然災害との大きな違いだ」と強調する。

さらに「特別警戒アラート」は前日の午後2時に発表されるため、翌日の屋外でのイベントなどを中止・変更するための時間的余裕はある。すでに暑さ指数を活用し、活動予定を判断している建設会社や教育機関もある。

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