トランプ再選で日本は「5つの悪夢」に襲われる 前回よりも思い通りにしやすくなる可能性も

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実際には、台湾はそのような兵器を受け取る能力も興味もない。また、台湾の指導者たちは、ウクライナでロシアが勝利すれば、モスクワの支援を受けた中国が台湾戦線でより攻撃的になることを助長するだけだと繰り返し述べている。

第2次トランプ政権は、中国との衝突の可能性を高め、中国に対する軍事行動に参加するよう日本に圧力をかけるかもしれない。しかし逆に、おそらくトランプ自身のアメリカ・ファーストのイデオロギーにより一貫して、台湾を放棄することになるかもしれない。

トランプはブルームバーグのインタビューでも(これが初めてではないが)その点を明らかにしている。トランプは台湾が「我々の半導体ビジネスの約100%を奪った」と攻撃しており、台湾を擁護する気はないと言える。「台湾は我々に何も与えてくれない。台湾は9500マイルも離れている。中国からは68マイル離れている」。

MAGA支持者が国を支配することになる

悪夢5:権威主義的で機能不全に陥ったアメリカ

民主的なアメリカの信頼性と安定性に依存している日本にとって、おそらく最も不安な悪夢は、トランプ勝利後にアメリカが完全な混乱に陥り、連邦政府が機能不全に陥るという見通しである。

ヘリテージ財団が策定したトランプ政権の詳細計画「プロジェクト2025」では、連邦官僚機構全体が大規模に粛清される。専門職は解雇され、MAGA運動の忠実な支持者と入れ替わる。

「同盟国にとって、誰のところに行けばいいのか、誰を信用すればいいのかがわからなくなる」とスミスは心配する。「そのような機能不全は致命的だ」。

日本は、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)のような概念に具現化された、アメリカと共有する価値観や規範に基づいて、世界における自らの役割を組み立ててきた、とサミュエルズは指摘する。トランプ主義の下では、「世界の他の国々は、アメリカがハンガリーのように見え、フランスやイギリスのように見えなくなるだろう。アメリカの民主主義の衰退は、日本にとって悪夢だ」。

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ダニエル・スナイダー スタンフォード大学講師

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Daniel Sneider

スタンフォード大学ショレンスタインアジア太平洋研究センター(APARC)研究副主幹を務めている。クリスチャン・サイエンス・ モニター紙の東京支局長・モスクワ支局長、サンノゼ・マーキュリー・ニュース紙の編集者・コラムニストなど、ジャーナリストとして長年の経験を積み、現職に至る。

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