日本のアパレルを捨て、直営化する欧米ブランド
ただし、商標権の買い取りにはライセンス契約より資金が必要。サンエーがジルスチュアートの獲得に費やした金額は54億円。売上高200億円以下が大半の日本のアパレルにとってバカにならない額だ。
また商標権を得ても、うまく運営できないケースは多い。売りに出るのは、旬を過ぎたブランドや収益面で厳しいブランドが多いためだ。
残る解決策は自社ブランドを育成すること。バーバリー問題で揺れる三陽は、すでに「エポカ」や「アマカ」など、自社が商標権を持つ国内ブランドの強化に動いている。
ただ「日本人の洋服の歴史は明治以降と浅く、欧米ブランドに対するコンプレックスが強い」(アパレルに詳しいオチマーケティングオフィスの生地雅之代表)。欧米に対抗できるほどのブランド力を持たせることは、一朝一夕にはいかない。
三陽に残された期限は4年。契約更新できたとしても、バーバリーの動きに気をもむ状況が続く。ライセンス契約をめぐる騒動は、日本のアパレルが抱える構造問題をあらためて浮き彫りにしている。
[+画面クリックで詳細チャートを表示 <会員登録(無料)が必要です>]
(撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済2011年10月1日号)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら