「妊婦は役立たず」と夫の家を追い出された! 離婚の申し出を受け入れるべきか

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反省された上で、離婚に突き進まれるのはまだ早いと思います。子は鎹といいますが、離婚調停まで進んだものの頭を冷やして双方が反省し、子どもをきっかけに結婚生活をやりなおした夫婦の事例もあります。

私の若い知人が二人目の子を身ごもった時に、夫の方から離婚話がでました。やはり同居している親が絡んだ揉め事からです。彼女の方から願い下げだと弁護士を入れ、家裁の調停を受けました。

そんななか、たまたまでしょうが、自分の話を聞きながら調停委の人が居眠りをするのだそうです。自分の幸せに何の関心もない人に人生を委ねるのはやめようと、半年後に彼女は調停を取り下げました。そのうちに二人目が生まれ、夫側も頭を冷やす期間になったのか、2世帯別居で問題は解決しました。

優様もこれから彼と交代に家庭裁判所に呼び出されて、それぞれの言い分を調停してもらう段階に入るのですね。そこで貴女が親の悪口を言わないことを約束し、反省と離婚したくない旨を伝えれば、調停委員の人が彼を説得してくれ、その説得にも心が動く彼ではないでしょうか。

そのうちに赤ちゃんが生まれます。優しい彼のことです。彼が赤ちゃんに会えば、翻意のきっかけになる可能性大です。情を絡ませたくないと言われましたが、優しい彼の情に訴える以外、貴女の本心に添った解決はありません。どうせ生まれるまでには決着はつかない問題ですが、悪く転んでも貴女が離婚話に応じるのは、それからでも遅くありません。

未練を残して離婚話を進めてはいけない

優様のご家庭では、同居生活半年で離婚話にまで発展しました。私の経験ですが同居半年は、相撲なら取組みが始まる前の最初の仕切り段階です。優様のご家族は、1度目の仕切りのにらみ合いの段階で、勝敗を決めようとしています。半年より1年、1年より5年と同居を重ねる中で、お互いの性格を覚え、妥協や主張するべきこととその方法を見つけていくのです。そうして喜びも共に分かち合える家族になっていくのですよ。

離婚話になるまでの理由と期間が短絡的で、結論を急ぎ過ぎです。弁護士を入れたものの葛藤が続いているのでしたら、最後まで離婚をしない方向で頑張ってみてはどうですか。貴女の言うことだけを聞いて親に冷たい彼なら、私は彼に何の魅力も感じません。親にそんなに優しい人は、妻子への情も深いものですよ。

万策尽くしてダメならその後で、粛々と手続きを始めるということの方が、心の整理もしやすいのでは。貴女が心を尽くせば、彼の翻意は、案外難しくないのではと思えてなりません。

ミセス・パンプキン 『最強の人生相談』『一流の育て方』著者

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立命館大学卒業。ビジネスパーソン向けの家庭問題・人間関係・人生相談の専門家として、東洋経済オンラインで2012年より執筆。最新刊は『最強の人生相談』(東洋経済新報社)。息子であり、『最強の働き方』(東洋経済新報社)の著者であるムーギー・キム氏との共著に、『一流の育て方 ビジネスでも勉強でもズバ抜けて活躍できる子を育てる』(ダイヤモンド社)がある。ミセス・パンプキンへの相談は、こちらのメール、あるいは相談受付サイトで受け付けています。なお相談件数多数につき、過去に類似する相談があった場合には取り扱いません。ぜひ、これまでの連載をご参照ください。男性からのご相談も歓迎しております!

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