金日成死去から30年・韓国人が流した涙の意味は 南北分断70年超、統一意識も薄れつつあるが…

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現在の尹錫悦政権にいたっては、過去に例のないほどの対北強硬策をとり、過去30年間、どの政権も手をつけることはなかった民族共同体統一方案の変更に着手しようとしている。

これらの強硬姿勢に北朝鮮は強く反発し、ついに金正恩氏が自らの口で、韓国は同族、同質関係ではなく、「最も有害な第1の敵対国家、不変の主敵」とまで述べるに至った。

「本音では統一を願っていない」?

日本ではしばしば「韓国の大半の人は本音では統一など願っていない」という議論が聞かれる。確かに朝鮮戦争の休戦(1953年)からだけでも70年以上が経ち、朝鮮半島をとりまく国際情勢が激変するなか、韓国の人々の統一観が変化してきたのは言うまでもない。

同胞意識からの統一よりも、地域の安定を望むための共生を願う人々が増えてきたことも世論調査などで明らかになっている。ただ、安易な統一否定論もまた、現実を言い当てていないように思う。それぞれの統一観は、隣国から見て、すぐに合点がいくほど単純ではなさそうに映る。

30年前、韓国の人たちが流した涙の意味を、今も考えている。

箱田 哲也 朝日新聞記者

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はこだ てつや / Tetsuya Hakoda

1988年4月、朝日新聞社入社。初任地の鹿児島支局や旧産炭地の筑豊支局(福岡県)などを経て、1997年から沖縄・那覇支局で在日米軍問題を取材。朝鮮半島関係では、1994年にソウルの延世大学語学堂で韓国語研修。1999年からと2008年からの2度にわたり、ソウルで特派員生活を送った。

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