上流の企業は下請けに開発を丸投げするだけで、技術力はありません。バグの発生原因や進捗が把握できず、対策が後手に回ってしまってトラブルが発覚したのですが、このような多重下請け構造の中では、起こるべくして起きた失敗といえます。
新しいことに挑戦するより、既存のやり方を維持することを好む日本企業の多くは、現在の方法を変えることを恐れ、将来的な発展よりも今現在のコスト削減を重視しがちです。
それは成長し続けるIT業界においても同じで、特に中小や零細企業には、新しいツールや方法を敬遠する人たちが多く見られます。
しかし、優秀なエンジニアは新しいものを拒まず、「未来を変えたい」という強い気持ちを持っています。日本企業が先に述べたような姿勢を変えなければ、優秀なエンジニアには完全に見限られてしまうでしょう。
日本のIT業界は「ゆでガエル」状態
私は、日本のIT業界は「ゆでガエル」の状態になっているように感じています。
たとえば、世界には貧しくても幸福度が高い国がありますが、これは彼らが他の生活を知らないため、現状に満足しているからではないでしょうか。現に、インターネットなどで外国の暮らしを知ると、幸福度が下がるという現象も見られるようです。
日本のIT業界でいえば、かつての日本は「エンジニア大国」であり、中高年層には、今なおそのようなイメージを抱いている人が多いと思います。
しかし現実には、日本企業は優秀なエンジニアをほぼ採用できておらず、過去の常識にとらわれすぎるあまり、海外エンジニアの実力を正しく理解できていないのです。
今は国境や時間がフリーになり、世界がどんどん広がっているのに、大半の日本企業の視野は狭いままです。このままでは、日本企業がエンジニア獲得の国際競争の中で生き残ることはできません。
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