特に、複数のオファーを受けるような優秀なエンジニアを採用する場合、この傾向が顕著です。
優秀なエンジニアの採用には、給与交渉が重要となります。けれど日本企業は、オークション状態になっているにもかかわらず、最終面接で社内のルールを重視し、現在の社員との相対的な額に基づいて「これ以上の給料は出せない」と主張する場面が多々見られます。
一般的に日本の企業では、給料は一律に決められ、部署や部門にかかわらず同じような金額の給料が与えられます。給与は実績よりも勤務年数に基づくという企業も多いでしょう。
加えて、「海外人材にはそこまでコストをかけたくない」という傾向もあり、エンジニアとの給与交渉で融通があまり利かないのです。
一方で海外企業は、必要な人材のためにはコストに糸目をつけません。
特にスタートアップは優秀な人材を採用する意欲が高く、「この人材がいなければ会社が成長できない」という理由から、コストをかけてでも積極的に優秀な人を採用しようとします。
その結果、日本企業は競り負け、海外企業に優秀な人材が集まっていくのです。
日本にある「思い込み」は過去の話
日本では「海外、特に東南アジアの人材は質が悪い」という思い込みが根強く残っているかもしれません。たしかにひと昔前はそのような部分はありましたが、現在は状況が大きく変わっています。
私が考えるに、日本企業が東南アジアのエンジニアの質が低いと感じる理由は、実際に自分の会社に来ているのがレベルの低い人材だからではないでしょうか。
しかしそのようなエンジニアはごく一部、というよりも最下層のエンジニアです。今や、海外の優秀なエンジニアは日本企業など選ばないのです。
日本企業の人気が落ちている要因としては、ほかにもあります。
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