日本の証券業界の見通しは引き続きネガティブ《ムーディーズの業界分析》
一方、プラス面として、格付け対象の日本の証券会社の自己資本および流動性は全般的に良好であり、それがセクター全体の信用力を支える一因となっている。また、格付け対象の証券会社は、流動性の低い資産の圧縮を重点的に行ってきているため、向こう1年間に、そうした資産から多額の損失が発生する可能性は限定的である。
図3:構造的な流動性(2011年3月31日時点)
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格付け対象
日本には現在、許認可を受けた証券会社が293社あり、それらは大きく次の4つのグループに分けられる。すなわち、(1)野村ホールディングス(野村)や大和証券グループ本社(大和)といった大手独立系証券会社、(2)SMBC日興証券(SMBC日興)、三菱UFJ証券ホールディングス(三菱UFJ証券)、みずほ証券といった銀行系証券会社、(3)シティグループ証券(CGMJ)といった外資系証券会社、(4)松井証券といったオンライン証券会社である。
ムーディーズは現在、野村、大和、SMBC日興、三菱UFJ証券、みずほ証券、CGMJに格付けを付与している。